写真・池内嘉正/石川和伴/小久保晴行/野口正二郎
 1902年に独立するまで、スペインによる支配が400年続いたハバナ。砂糖と奴隷の貿易で17〜18世紀には大いに栄え、その富を注ぎ込んでバロック様式の建築群が建てられた。当時の建物と19世紀後半のヨーロッパ調の建物が残り、街ぐるみユネスコの世界遺産に登録されている。
ヘミングウェイが定宿にしていて書斎があったホテル・アンボス・ムンドス。511号室がそのままミニ博物館になっている。
オールドハバナにあるバロック様式のカテドラルの前で
ヘミングウェイが使っていたタイプライター

ヘミングウェイが通ったバーの1つ、フロリディータのカウンターの端の席に、彼の像がある。右手奥の壁に掛かっているのは、ヘミングウェイとカストロの写真 街角に店を出す太い葉巻をくわえた大柄な女性は占い師

小型クルーザーをチャーターして無人島へ 高級感が漂うバラデロのホテルのプール
 ハバナから東へ約120q、車で約2時間走るとマタンサス。コロンブスが2度目の航海の際に上陸したという場所にこの町はつくられた。マタンサスからさらに進むと、角のように海に突き出たヒカコス半島がある。ここがキューバ最大のビーチリゾート、バラデロ。カリブ海に面したビーチは長さ約25q、白い砂浜がエメラルドグリーンの海と溶け合って続く。1930年ごろにはデュポンをはじめ、アメリカ人の億万長者が次々に別荘を建て、優雅なバカンスを過ごしていた。今、かつての別荘も観光客のために活用され、ヨーロッパ資本によって大型のリゾートホテルが次々に建てられている。

コミュニティ内で放し飼いにされているクジャクが自由に歩き回る
 ユネスコは1985年、ハバナ近郊のシエラ・デル・ロサリオ山地を生物圏保存地域(バイオ・スフィアー・リザーブ)に指定した。2500haの保存地区内には、600の高層固有植物と250の低層固有植物があり、98種類の野鳥がすみ、爬虫類や両生類もたくさんいる。キューバ政府は、そこを農民の居住地とし、コミュニティづくりを行い、観光開発とあわせてエコツーリズムに繋げようとしている。
高いところに張ったロープを伝って空中から森林を観察するカノピー・ツアー。距離は800m