JTWO 日本旅行作家協会・会員個人ページ

中村 浩美  NAKAMURA,Hiromi       Last updated '18.7.30

●プロフィール
Photo by Paco Kazu Takahashi

 科学ジャーナリスト、航空評論家、キャスター、トーク・コーディネーター
 1946年2月8日、札幌市生まれ。同志社大学法学部法律学科(国際法/宇宙法)卒。月刊「航空ジャーナル」編集長を経て、1984年に航空評論家、科学ジャーナリスト、TVキャスターとして独立、現在に至る。航空、宇宙開発、先端技術、エネルギー、地球環境、メディア、国際関係、交通、旅行文化など幅広いジャンルで、執筆、講演、テレビ番組のキャスター、コメンテイター、各種イベントやシンポジウムのコーディネーターとして活動中。
 東京工業大学統合研究院特任教授、東海大学総合科学技術研究所特別研究員、国の宇宙開発委員会専門委員、原子力委員会専門委員、国土地理院研究評価委員、日本原子力研究開発機構研究評価委員なども歴任。また、宇宙や地球の話を
、子供たちや親子に直接語りかける「親子で学ぶサイエンススクール」(http://www.kamijo.co.jp/school)を全国で開催するなど、宇宙計画への理解増進や、科学知識の普及啓蒙に積極的に取り組んでいる。
 また当協会の専務理事を長く務めたほか、NPOエンジョイ・エコ・ラボラトリー理事長、NPO羽田航空宇宙科学館推進会議理事長としても活動している。
 趣味は、博物学研究、ルネサンス研究、パリのパサージュ散策、読書、映画、ドライブ、スポーツ観戦。
[連絡先]〒401-0335 山梨県富士河口湖町大嵐813-6、B-204 TEL.&FAX.:0555(25)6758
E‐mail:huskywolf2157@yahoo.co.jp


◆おもな著書

『飛行機をめぐる冒険』(ポプラ社)、『 FLIGHT DECK OPERATIONS 空母キティホークと飛行甲板要員たち』(共著・アスキー・メディアワークス)、『YS-11世界を翔けた日本の翼』(祥伝社新書)、『YS-11 栄光の翼』(アサヒDVDブック)、『読んで愉しい旅客機の旅』(光文社新書)、『旅客機大全』(新潮文庫)、『最新 宇宙開発がよくわかる本』(中経出版)、『ブライトリング・ファイターズ』(共著・ぶんか社)、『飛行機王国アメリカ探訪』(NTT出版)、『ブラックホールは宇宙を滅ぼすか?』(翻訳・東海大学出版会)、『火星雑学ノート』(ダイヤモンド社)、『旅客機雑学ノート』(ダイヤモンド社)、『あした宇宙へ』(廣済堂出版)、『衛星情報が世界を変えた』(共著・徳間書店)、『空飛ぶ巨大技術ジャンボ』(講談社現代新書)、『ザ・チャレンジャー』(航空ジャーナル社)、『スペースシャトル』(グラフ社)、『ハレー彗星を探る!』(航空ジャーナル社)他

PORTRAIT

<最近の活動>
<2018年 JAN.~JUN.>
WRITING
『BREITLING DC-3 JAPAN TOUR:日本の空を翔けたブライトリングDC-3 (Part2)』

 2017年に行われたブライトリングDC-3のジャパンツアー同行記『日本の空を翔けたブライトリングDC-3』の第2部を、NPO/HASM(羽田航空宇宙科学館推進会議)の会報「羽田の青い空」(第86号)に執筆。ジャパンツアーの後半部分、福島訪問イベントからアメリカに向けて帯広を出発するまでをカバー。このジャパンツアーは、World Tour(世界一周飛行)の一環だった。ジャパンツアーの後、アメリカ横断ツアーを終えたブライトリングDC-3は、8月23日にニューヨークを出発、グースベイ(カナダ)を経てナルサスアーク(グリーンランド)、レイキャビック(アイスランド)、ウイック(スコットランド)と飛行を続け、北大西洋横断飛行を終えた。その後はヨーロッパ各地を巡り、9月12日に出発地のスイス・ジュネーブに無事帰着し、壮大な世界一周飛行を完成させた。ブライトリングDC-3ワールドツアーの総飛行距離は45,374km、総飛行時間261時間、訪問地は28か国62都市にのぼった。
『日本の空を翔けたブライトリングDC-3 Part2』全11頁の一部
 ブライトリングDC-3のワールドツアーが成功した直後に、衝撃的なニュースが伝わった。ブライトリング社がこれまで続けてきた、航空界の様々なイベントやプロジェクトへのサポート、プロデュースを終了するというものだ。経営方針の変更による決定ということだ。ブライトリングDC-3へのサポートも終了し、あのカラーリングが機体から消えた。日本でも人気上昇中のレッドブル・エアレースからも、ブライトリング・レーシングチームは撤退した(室屋義秀さんへのサポートは、ブライトリング・ジャパンが継続)。
 ブライトリング社の航空イベントからの撤退(ブライトリングの時計が、世界中のパイロット、航空従事者のアイコンであることに変わりはないけれど)によって、ブライトリングDC-3のジャパンツアー、2013年に行われたブライトリング・ジェットチームのジャパンツアーは、日本の航空界のレガシー(遺産)になった。ブライトリングの翼が日本の空を翔けた事実は、永遠に僕たちの記憶に残る。この二つのイベントに参加できたことに、改めて感謝したい。素晴らしいパイロットやクルー、ブライトリングのスタッフと過ごしたジャパンツアーは、貴重で楽しい日々だった。
カメラプレーンに同乗して大阪・神戸上空で行った空撮が最高の想い出だ    ETTのHP「私はこう思う!」掲載頁 
『1万年に1回のカタストロフィ』
 ETT(フォーラム・エネルギーを考える)のホームページ『私はこう思う!』のコーナーに、『1万年に1回のカタストロフィ』を執筆。2017年12月13日に出された、広島高裁による伊方原発3号機の運転差し止め命令の仮処分についての所見を述べたもの。広島高裁が運転を認めなかった要点は、原子力規制委員会の火山の危険性に対する判断が不合理というものだった。火山列島の日本では、破局的な火山噴火がどこでいつ起きるかを、現在の火山学で科学的に予測することは不可能だが、1万年に1度程度の発生は想定されている。その1万年に1度のカタストロフィについて、ゼロリスクに固執するか、理性的なリスク判断に委ねるか。原発についてだけゼロリスクで考えるのは、恣意的な論理の飛躍ではないだろうか。というのが、科学ジャーナリストとしての僕の、高裁判断への批判の論旨だ。

INTERVIEW
 米空軍三沢基地所属のF-16戦闘機が、離陸直後にエンジン火災を起こし、増槽(機外燃料タンク)2本を、基地北側の小川原湖に投棄する事態が、2月20日に発生した。緊急時に燃料タンクを、人が住んでいない地域の洋上などに投棄するのは通常の操作だ。しかし投棄地点の小川原湖では当時、シジミ漁が行われていたので、事故は事件になった。この件について、福岡のRKBラジオのインタビューを受けた。

EVENT
『航空科学博物館』視察

 成田(正確には千葉県芝山町)にある『航空科学博物館』を、展示部長・専任学芸員の種山雅夫さんのご案内で視察。日本を代表する航空博物館のコンセプト(航空科学知識、航空思想の普及、航空科学技術振興への貢献)を伺いながら、屋内・屋外の展示を(バックヤードを含めて)見学させていただいた。この博物館の魅力のポイントは3つあると思う。ボーイング747-400の大型模型シミュレータ、ボーイング747のセクション41の実物展示、そして19機の屋外展示機だ。747-400の大型模型をコクピットから操縦体験できるシミュレータは、やはり最大の人気展示だという。セクション41とは機首部分の名称。コクピットを含む実物ジャンボの機首部分を、インストラクターの案内で見学できる。部分とはいえジャンボの実物展示は、日本の航空博物館として初めてだ。屋外にはYS-11、FA-300、MU-2などの国産機をはじめ計19機が並ぶ。エンジン運転を体験できる機体もある。展望展示室からの屋外展示場の眺めも素晴らしい。屋外展示場の背景に、成田空港を離着陸する機体を間近に眺めることができるのも、この博物館ならではの魅力だ。
 
コクピットから操縦体験ができる747-400大型模型     セクション41のコクピットで元JALの坂井機長と共に
展望展示室から眺めた「航空科学博物館」の屋外展示場

『僕の交書録』<BOOKS MY BEST  2018 JAN.~JUN.>
 
2018年上半期1月~6月の読書歴は、新刊購入が33冊、贈呈いただいたのが3冊、蔵書の再読が9冊の計45冊。例年のペースから考えると低調。ある事情から蔵書の整理に忙しく(2か月かかった)、落ち着いた読書の時間がなかなか持てなかったのが理由。また年初に魅力的な新刊が少なく、自分の中で評価が定まっている再読でカバーしたもの。再読したのは、お気に入りのR・D・ウイングフィールドのフロスト・シリーズ、キャロル・オコンネルのマロリー・シリーズ、マイクル・コナリーのボッシュ・シリーズと塩野七生さん(『海の都の物語』 『続・海の都の物語』)。様々な事情から、今後は再読が増える見通しだ。
 今期の新刊MY BESTは、以下の22作品24冊(順番は読んだ順)。中公新書がずらりと並び、日本史がマイブームであることが明白。佐藤彰一先生の『剣と清貧のヨーロッパ』は、『禁欲のヨーロッパ』 『贖罪のヨーロッパ』に続く、中世修道院、騎士修道会のシリーズ。中世騎士団というテーマも、ここ10年来のマイブームだ。『闘争領域の拡大』が河出文庫から出たことで、ミシェル・ウエルベックの長編小説が、すべて文庫で読める環境になったのはありがたい。
<NON FICTION>
『剣と清貧のヨーロッパ  中世の騎士修道会と托鉢修道会』   佐藤彰一                (中公新書)
『藤原氏  権力中枢の一族』                 倉本一宏                (中公新書)
『倭の五王  王位継承と五世紀の東アジア』          河内春人                (中公新書)
『蘇我氏  古代豪族の興亡』                 倉本一宏                  (中公新書)
『院 政   もうひとつの天皇制』              美川 圭                (中公新書)
『陰謀の日本中世史』                     呉座勇一                 (角川新書)
『帳簿の世界史』                       ジェイコブ・ソール            (文春文庫)
『戦国日本と大航海時代  秀吉・家康・政宗の外交戦略』   平川 新                (中公新書)
<FICTION>
『ニューヨーク1954』               デイヴィッド・C・テイラー         (ハヤカワ文庫NV)
『特捜部Q 自撮りする女たち』            ユッシ・エーズラ・オールスン       (ハヤカワ・ミステリ)
『奇跡の人 The Miracle Worker』           原田マハ                     (双葉文庫)
『許されざる者』                   レイフ・GW・ペーション            (創元推理文庫)
『闘争領域の拡大』                  ミシェル・ウエルベック              (河出文庫)
『生贄の木』                      キャロル・オコンネル              (創元推理文庫)
『異邦人(いりびと)』                原田マハ                   (PHP文芸文庫)
『ダ・フォース』(上)(下)             ドン・ウインズロウ             (ハーパーBOOKS)
『サイレント・スクリーム』               アンジェラ・マーソンズ       (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『コールド・コールド・グラウンド』          エイドリアン・マッキンティ     (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『黒い睡蓮』                     ミシェル・ビュッシ                (集英社文庫)
『死刑囚』                アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『冬の炎』                      グレン・エリック・ハミルトン       (ハヤカワ文庫NV)
『燃える部屋』(上)(下)              マイクル・コナリー               (講談社文庫)

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2018 JAN.~JUN.>

 2018年1月~6月の映画鑑賞歴は、劇場鑑賞36本、試写2本の計38本。なお事情があって6月の鑑賞はゼロだったので、5か月間で36本。その中で今期のMY BESTは以下の24本(順番は鑑賞順)。アカデミー賞作品をはじめ、様々なジャンルで秀作に出会えたシーズンだった。マイベストスリーは『スリー・ビルボード』、『シェイプ・オブ・ウォーター』、『ダリダ ~あまい囁き』。次点が『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』。6月で生活環境が変わったので、これまでのような映画鑑賞ペースを維持できないのが残念。
『キングスマン ゴールデン・サークル』     (KINGSMAN:THE GOLDEN CIRCLE)      マシュー・ヴォーン監督
『はじめてのおもてなし』            (Willkommen bei den Hartmanns)     サイモン・バーホーベン監督
『デトロイト』                 (DETROIT)                 キャスリン・ビグロー監督
『ライオンは今夜死ぬ』             (Le Lion est Mort ce Soir)                諏訪敦彦 監督
『空海 KU-KAI  美しき王妃の謎』                                  陳 凱歌 監督
『スリー・ビルボード』             (Three Billboards Outside Ebbing,Missouri) マーティン・マクドナー監督
『ローズの秘密の頁』              (The Secret Scripture)              ジム・シェリダン監督
『クレーテスト・ショーマン』          (The Greatest Showman)          マイケル・グレイシー監督
『長江 愛の詩』               (長江図  Cross current)              ヤン・チャオ監督
『ロープ/戦場の生命線』            (A Perfect Day)        フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督
『シェイプ・オブ・ウォーター』        (The Shape of Water)            ギレルモ・デル・トロ監督
『15時17分、パリ行き』          (The 15:17 To PARIS)          クリント・イーストウッド監督
『修道士は沈黙する』             (Le confessioni)                ロベルト・アンドー監督
『ウインストン・チャーチル  ヒトラーから世界を救った男』 (DARKEST HOUR)           ジョー・ライト監督
『ペンタゴン・ペーパーズ  最高機密文書』  (The Post)               スティーヴン・スピルバーグ監督
『ワンダーストラック』            (WONDERSTRUCK)               トッド・ヘインズ監督
『レッド・スパロー』            (RED SPARROW)            フランシス・ローレンス監督
『女は二度決断する』             (IN THE FADE)                 ファティ・アキン監督
『さよなら、僕のマンハッタン』        (The Only Living Boy in New York)         マーク・ウエブ監督
『アイ、トーニャ  史上最大のスキャンダル』( I,TONYA)                  クレイグ・ギレスピー監督
『フロリダ・プロジェクト  真夏の魔法』   (The Florida Project)              ショーン・ベイカー監督
『ダリダ  ~あまい囁き』          (DALIDA)                    リサ・アズエロス監督
『ゲティ家の身代金』             (ALL THE MONEY IN THE WORLD)       リドリー・スコット監督
『ファントム・スレッド』           (PHANTOM THREAD)       ポール・トーマス・アンダーソン監督

MOVING

 6月に引越しをしました。40年近く住み慣れた千葉県浦安市から、山梨県富士河口湖町へ。ディズニー・リゾートから、世界文化遺産の富士山への大移動。富士を望む豊かな自然の中で、シンプルライフを目指します。もともとセカンドハウスとして使っていた家に、生活規模もスペースもダウンサイジングしたもの。膨大な量の資料と蔵書、加えて着道楽(?)の衣裳の処分が、最大の課題だった。準備作業に2か月以上を費やした。売れるものはすべて売り、捨てられるものは捨てて、これからの10年を基準に、必要なものだけを厳選したつもりだったが、どうしても処分しきれないものが多く新居は満杯。それでも研究や原稿執筆には良い環境で、東京との往復が負担ではあるけれど(月に3~4回のことだが)、何とか仕事と生活のペースができつつある状態。
 本は通販でも買えるし、東京へ出た際に仕入れることもできるので問題ないのだけれど、残念なのは映画鑑賞。昨年は100本以上を劇場鑑賞したが、富士河口湖町にもお隣の富士吉田市にも映画館はない。山を越えて甲府昭和のTOHOシネマズまで40キロのドライブ。これからの『僕のシネマテーク』が低調になるのは必然。地方の環境を選んだこれが代償だ。『僕の交書録』のほうも、これ以上蔵書を増やせないので、新刊はなるべく抑えて蔵書の再読を心掛けるつもり。今後10年間に再読の可能性のある本だけを選んだつもりだけれど、それでも500冊はある(一部は倉庫に預けた)。震災の後で約3000冊、今回1500冊を泣く泣く処分したのだけれど…。いずれにしろ、このHPを続けるとすると、「活動」に変化があるのは当然としても、「交書録」も「シネマテーク」も、変貌することになりそうだ。