JTWO 日本旅行作家協会・会員個人ページ

中村 浩美  NAKAMURA,Hiromi       Last updated '16.1.26

<最近の活動>
<2015年 JUL.~DEC.>
COVERAGE
 
<三菱MRJ初飛行取材>
 三菱航空機が開発した、初の国産ジェット旅客機・三菱MRJ(Mitsubishi Regional Jet) が、11月11日、名古屋空港を離陸し初飛行に成功した。良く晴れた青空を背景に初飛行するその姿は、感動的な歴史的瞬間を実感させてくれた。初飛行の日程が、事前登録したプレスに知らされたのは、前日の正午だった(午後7時まで報道規制)。慌ててホテルと新幹線を手配して、当日午前6時30分のプレス受付時間に備えた。さすがに興奮してよく眠れず、5時に起床し眠い目をこすりながら名古屋空港へ向かった。
待機すること約3時間、11月11日午前9時35分、MRJはついにテイクオフ。チェーサー(随伴機)の航空自衛隊T-4と三菱社有機ホーカー400(MU-300)、カメラシップの三菱MU-300と共に、名古屋空港から試験飛行空域の太平洋へ向かった。初飛行における試験を終えて、名古屋空港にファースト・ランディングしたのは午前11時02分。約1時間半の処女飛行だった。
 
随伴機に見守られてテイクオフ   名古屋空港から初飛行のテスト空域へ向かうMRJ
 
初めての試験飛行を終え名古屋空港へアプローチ(三菱航空機提供)   初飛行を終えタッチダウン

関係者とプレスが待つエリアにスポットインした、MRJのドアが開かれた。初飛行のパイロットを務めた、三菱航空機の二人のチーフ・テストパイロット、安村佳之機長と戸田和男副操縦士が、タラップに姿を現した。安村機長は大きく両手を挙げ、歓呼に応える。ジーンとくる瞬間だった。初飛行後の記者会見で感想を求められた安村機長は『Fantastic』、戸田副操縦士は『Great』と答えていた。また安村機長は『その操縦性、機体安定性は、テストパイロットの経験の中でもトップクラス』と、MRJを評価した。

 
タラップで歓声に応える安村機長(右)と戸田副操縦士   初飛行のパイロット安村佳之、戸田和男両氏のサイン

 <河口湖飛行館見学>
 昨年に続いて、河口湖飛行館(ZERO MUSEUM)をHASMの有志と見学。今年は原田信雄館長(オーナー)と会って、話をすることができた。この博物館には、レストアした零戦の完成機2機(52型と21型)がある。現在は一式陸攻、零戦21型、隼をレストア中。毎年8月だけ1か月間しか開館しない(館内は携帯電話のカメラ以外は撮影禁止)。セカンドハウスから近いので、毎年訪れている。原田館長の収集とレストアの情熱には敬服する。
 
原田信雄館長と零戦52型の前で  河口湖飛行館の外観

 <フジドリームエアラインズ、富士山静岡空港取材>
 JTWOの有志と、富士山静岡空港で、フジドリームエアラインズを取材。空港ランプなどでの写真撮影に続いて、エンブラエルのフライト・シミュレータを見学。同社の現況と将来計画について、レクチュアを受けた。LCCとは違う、独自のリージョナル・エアラインを目指す、その経営理念はなかなか興味深かった。フジドリームエアラインズの発着回数が最も多いのは名古屋空港だが、富士山静岡空港は、中国、韓国のエアラインの就航が増え、それなりの活況を感じた。
フジドリームエアラインズのエンブラエル170(富士山静岡空港)
 
富士山静岡空港のランプで  エンブラエル170のシミュレータ

WRITING
 HASMの機関誌「羽田の青い空」に、新連載を始めた。交友関係があった海外の航空人の想い出を、僕なりに綴り、追悼しようという企画だ。第1回目は、スタント・パイロットとして、ハリウッド映画やエアショーで活躍した、フランク・トールマンの追悼録だ。今後、何人について語れるかはわからないけれど、強く記憶に残っているAVIATORとの交誼を、語ってみたいと思っている。
『AVIATORS 追悼録私抄(フランク・トールマン)』の掲載頁。(全9頁の一部)

COMMENT
日刊ゲンダイのインタビュー 読売新聞にコメント 日刊ゲンダイにコメント

 
航空、エネルギー関連で、新聞へのコメントを幾つか行なった。COP21に関連して、日本のエネルギー問題について日刊ゲンダイからインタビューを受けた(12月25日掲載)。地球温暖化対策のためには、温暖化ガスを排出しない電源の確保が不可欠だが、コストの高い再生可能エネルギーに期待しすぎるのは危険で、原子力を効率的に使うなど、電源構成のバランスが大切。温暖化による気候変動は、「いまそこにある危機」だという現実を、もっと直視すべきだ、などと語った。7月に調布飛行場で起きたパイパー機の墜落事故について日刊ゲンダイに、8月に丘珠空港で起きたパイパー機の胴体着陸について北海道新聞にコメント(7月28日、8月21日に掲載)。JAXAが成功した、次世代の超音速旅客機の開発に向けた飛行実験(衝撃波の測定)に関連して読売新聞にコメント(9月13日掲載)。羽田など7空港で、滑走路のグルービングの補修を怠っていた件で読売新聞にコメント(10月12日掲載)など。

『僕の交書録』 <BOOKS MY BEST  2015 JUL.~DEC.>
 
2015年下半期の交書録は、新刊購入が35冊、贈呈いただいた作品が4冊、再読したのが6冊の計45冊。年間では96冊(うち再読が19冊)。僕の好みに合う作品との出会いが、次第に難しくなっている印象だ。新刊で100冊を超えるのはもう無理かも知れない。今期も80年代、90年代のディック・フランシス、アンドリュー・ヴァクスを再読して、何とか読書欲を満たした。洋書、専門書を除いた今期の新刊マイベストは、以下の23作品27冊(順番は読んだ順)。
 まずノンフィクション。『アメリカを変えた夏 1927年』は、僕自身が書いてみたいと思うような作品。時間を切り取って、幅広い分野の出来事を横断的に描いている。1927年に着目したのにも共感する。過去に『遠い太鼓』『雨天炎天』『辺境・近境』を愛読したけれど、村上春樹さんはやはり紀行文も上手いなぁ。
こういう紀行もあるのだと、感心させられたのが星野博美さんの作品。ローマ人、十字軍に続いて、塩野七生さんの『ギリシア人の物語』がスタート。これで向こう3年間楽しめる。
 フィクションでは、今年は何と言ってもミシェル・ウエルベック。『服従』は2022年フランスにイスラム政権が誕生するという、ショッキングな物語。大統領選挙で、ファシストかイスラム主義者かという、究極の選択を迫られた結果だ。この本を読んだ翌月に、パリで同時テロが発生した。ヨーロッパのイスラム化というのは、21世紀の最大課題になるかも知れない。それはそれとして、『服従』が出版されたことで、ウエルベックの旧作が文庫化されたのはファンとしては嬉しい限りだ。絶版になって久しかったし、古書市場では高値がつき続けていた。『プラットフォーム』は、やはり傑作、怪作(?)。ミステリでは、やはり北欧ミステリが快調。ついに『ミレニアム4』も出た。第3部までの作者スティーグ・ラーソンは、世界的な成功を見ることなく急死したが、ダヴィッド・ラーゲルクランツが、登場人物などを引き継いで書いた第4部だ。テーマと展開はオリジナルには及ばないものの、シリーズが続くのなら読者としては嬉しい。今期はフレンチ・ミステリも良かった。
[Non Fiction]
『廃線紀行-もうひとつの鉄道旅』         梯 久美子                (中公新社)
『アメリカを変えた夏 1927年』         ビル・ブライソン              (白水社)
『ラオスにいったい何があるというんですか?』   村上春樹                (文藝春秋)
『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記』  星野博美                 (文藝春秋)
『ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり』     塩野七生                  (新潮社)
[Fiction]
『闇からの贈り物』(上・下)          V・M・ジャンバンコ           (集英社文庫)
『ネメシス 復讐の女神』(上・下)       ジョー・ネスボ              (集英社文庫)
『 声 』                   アーナルデュエル・インドリダソン    (東京創元社)
『ザ・バット』                  ジョー・ネスボ              (集英社文庫)
『街への鍵』                   ルース・レンデル        (ハヤカワ・ミステリ)
『水の葬送』                  アン・クリーヴス            (創元推理文庫)
『彼女のいない飛行機』             ミシェル・ビュッシ            (集英社文庫)
『もう過去はいらない』             ダニエル・フリードマン        (創元推理文庫)
『新車のなかの女』               セバスチアン・ジャブリゾ       (創元推理文庫)
『カルニヴィア3 密謀』            ジョナサン・ホルト       (ハヤカワ・ミステリ)
『服 従』                   ミシェル・ウエルベック         (河出書房新社)
『プラットフォーム』              ミシェル・ウエルベック          (河出文庫)
『アルファベット・ハウス』           ユッシ・エーズラ・オールスン  (ハヤカワ・ミステリ)
『悲しみのイレーヌ』              ピエール・ルメートル            (文春文庫)
『天国でまた会おう』(上・下)         ピエール・ルメートル     (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『特捜部Q 吊るされた少女』          ユッシ・エーズラ・オールスン    (ハヤカワ・ミステリ)
『バーニング・ワイヤー』(上・下)       ジェフリー・デイーヴァー           (文春文庫)
『ミレニアム4』(上・下)          ダヴィド・ラーゲルクランツ          (早川書房)


『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2015 JUL.~DEC.
 
2015年下半期の映画鑑賞歴は、劇場鑑賞が41本で試写での鑑賞はゼロ。通年で計76本。111本観た昨年の7割弱だけれど、これぐらいが無理のないところ。下半期のマイベストは以下の23作品(順番は鑑賞順)。やはり戦後70年の節目なのだろうか、ナチスの時代を背景にした佳作が6作(年間では8作)と目立った。これ以外にも『ヒトラー暗殺、13分の誤算』があった。1981年の作品がデジタル・リマスター版で甦った『愛と哀しみのボレロ』は、やはり傑作だったけれど、これもやはり背景は第2次大戦だ。
音楽映画(ミュージカルに限らない)というのも僕の好きなジャンルだけれど、今年は『君が生きた証』『はじまりのうた』『セッション』『ラスト5イヤーズ』『ジェームス・ブラウン』、そして下半期の『踊るアイラブユー♪』『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』『ラブ&マーシー』『Dear ダニー』『エール!』『愛と哀しみのボレロ』と楽しませてもらった。唯一の日本映画『海難 1890』は、ただただトルコ政府とトルコ航空に感謝、というのが観終わっての印象。日本とトルコの友好関係を忘れてはいけない。
そして“新たなる3部作”がスタートした『スター・ウォーズ フォースの覚醒』。これからの展開に期待を持てる作品だったが、ストーリーが少々荒っぽい印象。第1作からのファンとしては、やはりジョージ・ルーカスに撮ってほしかった。『スター・ウォーズ』の第1作(エピソードⅣ)「新たなる希望」を観たのは、1978年1月8日、ロサンゼルスのプリッツ・センチュリー・プラザ・シアターだった。7月の日本公開が待ち切れず、シアトル、ロスへ出張中のオフの日に勇躍観に行ったもの。とにかくオープニングから度肝を抜かれた。あの日のワクワク感と共に、客席にトニー・カーチスが居たことを覚えている。あれから37年か!と感慨深い。ドロイドは当然だけれど、チューバッカも年を取らないんだね。

『踊るアイラブユー♪』  (Walking on Sunshine)       マックス・ギーワ&ダニア・バスクイーニ監督
『人生スイッチ』  (WILD TALES )                        ダミアン・ジフロン監督
『ふたつの名前を持つ少年』  (RUN BOY RUN)                   ぺぺ・ダンカート監督
『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』  (God help the Girl)            スチュアート・マードック監督
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』  (Love & Mercy)             ビル・ポーラッド監督
『ヴィンセントが教えてくれたこと』  (St.VINCENT)                セオドア・メルフィ監督
『キングスマン』  (KINGSMAN The Secret Service)               マシュー・ヴォーン監督
『ぼくらの家路』  (JACK)                           エドワード・ベルガー監督
『ベル & セバスチャン』  (Belle et Sébastien)                    二コラ・ヴァニエ監督
『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』  (A Most Violent Year)             J.C.チャンダー監督
『Dear ダニー 君へのうた』  (DANNY COLLINS)               ダン・フォーゲルマン監督
『顔のないヒトラーたち』  (Im Labyrinth des Schweigens)         ジュリオ・リッチャレッリ監督
『ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏』  (BOLSHI BABYLON)       ニック・リード監督
『エール!』  (La Famille Bélier)                       エリック・ラルティゴ監督
『ミケランジェロ・プロジェクト』  (The Monuments Men)           ジョージ・クルーニー監督
『愛と哀しみのボレロ』  (Les Uns et les Autres)                クロード・ルルーシュ監督
『黄金のアデーレ 名画の帰還』  (Woman in Gold)                サイモン・カーチス監督
『ハッピーエンドの選び方』  (THE FARWELL PARTY)      シャロン・マイモン&タル・グラニット監督
『独裁者と小さな孫』  (PRESIDENT)                    モフセン・マフマルバフ監督
『海難 1890』                                       田中光敏監督
『スター・ウォーズ フォースの覚醒』 (STAR WARS Epi.Ⅶ THE FORCE AWAKENS)  J.J.エイブラムス監督
『マイ・ファニー・レディ』  (SHE’S FUNNY THAT WAY)         ピーター・ボグダノヴィッチ監督
『完全なるチェックメイト』  (PAWN SACRIFICE)               エドワード・ズウィック監督


<2015年 JAN.~JUN.>
WRITING

 共同通信が1998年~2014年の16年間に、全国の加盟新聞社に配信した、約5,000編の書評を1冊に収めた『書評大全』が3月末に刊行された。書評の評者約1,600人、A5版函入・2,560頁、定価16,500円+税、三省堂刊という大作。僕もその評者1,600人の一人。英国のジャーナリスト、ニコラス・フェイス著の「ブラック・ボックス」(小路浩史訳、原書房)の書評が収録された。空前の「書評から見る文化史大事典」というのが、三省堂の謳い文句だ。購入してくれるのは図書館かな?
 ETT(フォーラム・エネルギーを考える)のメールマガジンの「私はこう思う!」欄に、『ベストミックス断章』を執筆。再生可能エネルギーに過度な期待をすることなく、原子力発電に一定の役割を担わせるべきという趣旨の、日本のエネルギー・ベストミックスへの一考察。

 
『書評大全』(共同通信文化部・編、三省堂刊、16,500円+税) 『ベストミックス断章』掲載頁

COVERAGE
 <MRJ開発状況・量産準備状況説明会>
MRJ初号機(三菱航空機提供)

 4月10日に、愛知県春日井市で、三菱重工業と三菱航空機による「MRJ開発状況並びに量産準備状況説明会」が開催された。MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の飛行試験機5機の製造状況、初飛行の予定(9月または10月)、量産準備状況(名古屋空港に隣接して小牧南新工場を建設)などが説明された。また飛行試験5号機にはANA塗装が施され、国内のみで飛行試験を実施する予定も公表された(1~4号機は国内飛行試験の後、モーゼスレイクを中心にアメリカで飛行試験を実施する)。説明会終了後、最終組立ハンガーで飛行試験機の製造ラインも見学した。
 なお飛行試験機初号機は6月8日に、走行試験(Low Speed Taxing Test)を開始した。また見学時点では未了だった5号機の胴体塗装も5月に完了した。ANAのカラーリングと、MRJのロゴを組み合わせたコラボレーション塗装だ。
 ▽開発の進捗と予定を説明する岸副社長 ▽4月の見学時点での飛行試験機の製造状況(三菱航空機)
   
▽走行試験を行なう飛行試験初号機(三菱航空機) ▽ANAカラーの胴体塗装を完了した5号機(三菱航空機)
 

 
<RED BULL AIR RACE>
 5月16日、17日に、日本初開催の「レッドブル・エアレース」(RED BULL AIR RACE World Championship CHIBA 2015)が、千葉県美浜区の海浜幕張公園に面した特設空域コースで開催された。日本人唯一の室屋義秀さんをはじめとする、マスタークラス・パイロット14名がエントリーし、熱戦が展開された。レースコースは幕張に設定されたが、TO、LDのための臨時エアポートとハンガーは浦安に設営された。レース前から4日間にわたって、主にこの浦安エリアで取材。最終日のレースは、浦安市総合公園で市民の皆さんと一緒にパブリックビューイングを楽しんだ。
 決勝レースFinal 4の優勝は#55ポール・ボノムのEDGE540V2、2位#95マット・ホールのMXS-R、3位#21マティアス・ドルダラーのEDGE540V3。我らが室屋さんは、新鋭機EDGE540V3を駆りRound 14でコースレコードを樹立したものの、Round 8では最終ゲート通過後のターンでオーバーGを宣告され、DNFと涙を呑みFinal4へは進めなかった。最終結果は8位。
 
△浦安のエアポートに着陸する室屋さんの#31(Red Bull)   △ハンガーで整備中の優勝したボノムの#55
   
 △ウイングレットが印象的な2位ホールの#95   △浦安のハンガーと4位ニコラス・イワノフの#27
 
△#9のMXS-Rを整備するナイジェル・ラム(5位)   △浦安のパブリックビューイングで室屋さんを応援

 <Meeting with Prof. Richard K. Lester
 MITの原子科学・工学部長のリチャード・レスター教授が、2月に来日した。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の視察と、政策関係者との意見交換が目的の来日だった。2月21日、教授の要請でエネルギー関係の取材活動を行なっている記者との懇談会が開かれ、招かれて僕も出席した。日本のエネルギー政策や地球温暖化防止について意見交換を行なったが、僕は昨年秋に、事故処理作業中の福島第一原子力発電所を視察していたので、その様子もお話しした。温暖化対策について、COPでの世界的枠組みの合意に、レスター教授が悲観的だったのが印象的だった。

記者懇談会におけるProf. Richard K. Lester ▷  

 <ANA羽田機体工場>
 5月7日、JTWO飛行機研究会、写真研究会の有志と、ANA羽田機体工場の見学へ。ハンガーにドックインして点検整備中の機体群を見学した。                     ▽ANA羽田機体工場
△JTWOの有志達と記念撮影 △見学前に某スポットから撮った「ある羽田の情景」

<東海発電所>
 6月12日に、茨城県東海村にある、日本原子力発電株式会社の東海発電所と東海第二発電所を視察。東海発電所は日本初の商業用原子力発電所で、昭和41年7月25日に営業運転を開始し、平成10年3月31日に営業運転を終了した歴史的存在。現在は廃止措置(いわゆる廃炉)作業中だ。この発電所は、軽水炉の前の型式である黒鉛減速・炭酸ガス冷却型という原子炉型式で、ここ以外には英国に1基が残るのみという。廃止措置のパイオニア的な技術開発が勿論興味深かったが、最も印象的だったのはそのレトロな中央制御室だった。オール・アナログの計器が並ぶ風景は、まさにレトロ。デジタル表示の中央制御室を見慣れた目には、逆に新鮮でもあった。まさに歴史的存在であることを実感したが、この中央制御室はぜひ産業遺産として保存してほしいものだとも感じた。日本初の大型原子力発電所として昭和53年11月28日に営業運転を開始した、東海第二発電所(軽水炉BWR)では、使用済み燃料乾式貯蔵設備を見学した。
セキュリティの関係で、構内の写真撮影は禁止だったので、レトロな中央制御室の写真は撮れなかった。


★LECTURE

 高知県の須崎市教育委員会・須崎商工会議所のお招きで、須崎市立市民文化会館で講演会(サイエンスセミナー)。『宇宙から考える 地球温暖化と私たちの暮らし』のタイトルで、衛星画像などを駆使して講演90分。高知の皆さんの防災・減災の最大の関心事は南海トラフ巨大地震だが、地球温暖化もまた「今そこにある危機」なのだと警告する。久しぶりの高知龍馬空港利用で、坂本龍馬像と土佐の人気者勢揃いの「リョーマの休日」のボードに迎えられた。

COMMENT
 各種メディアでの航空・宇宙関連の解説・コメントを今期も幾つか行なった。1月「週刊文春」で宇宙飛行士の仕事と民間の宇宙旅行の差異について解説。5月「読売新聞」で超音速旅客機の技術開発についてコメント。「日刊現代」で宇宙旅行最前線について解説。「日本テレビ」でオスプレイの技術的安全性についてコメント、などが主なところ。


『僕の交書録』 <BOOKS MY BEST  2015 JAN.~JUN.>
 今期の交書録は、購入新刊が33冊、贈呈いただいたのが5冊、再読が13冊の計51冊。70年代~80年代のロバート・P・パーカーとディック・フランシス作品を13冊も再読したので、この数になったが、新刊の交書は少な目だった。フィクション、ノンフィクション共に、お気に入りの作家が次々に鬼籍に入ってしまったので、これは致し方ない。洋書、専門書を除いた、ホビーとしての読書の今期のベストは以下の作品群(再読も除く。順番は読んだ順)。
沢木さんの『キャパへの追走』は問題作『キャパの十字架』の姉妹編で、キャパの足跡を辿り作品の現場に立った巡礼のような旅の記録。いわゆる「異界」ルポは僕の好きなジャンルの一つで、これまで『東京右半分』(都築響一)、『東京最後の異界 鶯谷』(本橋信宏)、『娼婦たちから見た日本』(八木澤高明)、今期も『迷宮の花街 渋谷円山町』(本橋信宏)などで蒙を啓かれたものだが、潜入ルポの白眉が井上理津子さんの『さいごの花街 飛田』だろう。女流作家の作品である点でも凄い。
ノーベル賞作家モディアノ作品と、タブッキの遺作の文藝2作品が今期の読書を象徴するが、すぐに続編を読みたくなるアーチャーの年代記も、欧米のミステリもやはり僕の趣味としての交書録の中心だ。北欧ミステリ、独ミステリが近年快調だけれど、英米ミステリには安定感がある。特にランキン作品にはいつも安心して向かえる。『死者は眠らず』は米人気作家26人の合作という前代未聞のリレー・ミステリ。作家もさることながら編集者のラミア・J・ガリーが凄い! 原田マハさんの『翼をください』は、飛行機ファン熱烈支持の一作。なおフェリックス・フランシスはディック・フランシスの、ニック・ハーカウェイはジャン・ル・カレの子息だ。時の流れを感じる。
[Non Fiction]
『レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史』 原 武史         (新潮文庫)
『キャパへの追走』         沢木耕太郎                  (文藝春秋)
『さいごの色町 飛田』       井上理津子                  (新潮文庫)
[Fiction]
『失われた時のカフェで』      パトリック・モディアノ             (作品社)
『強 襲』             フェリックス・フランシス        (イースト・プレス)
『翼をください』(上・下)      原田マハ                   (角川文庫)
『猟 犬』             ヨルン・リーエル・ホルスト       (ハヤカワ・ミステリ)
『セプテンバー・ラプソディ』    サラ・パレツキー         (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『追風に帆を上げよ クリフトン年代記 第4部』(上・下) ジェフリー・アーチャー   (新潮文庫)
『他人の墓の中に立ち』       イアン・ランキン           (ハヤカワ・ミステリ)
『死者は眠らず』          ジェフリー・デイヴァー、サンドラ・ブラウン他 (講談社文庫)
『氷雪のマンハント』        シュテフェン・ヤコブセン       (ハヤカワ文庫NV)
『イザベルに ある曼荼羅』     アントニオ・タブッキ           (河出書房新社)
『偽りの果実』           イアン・ランキン                (新潮文庫)
『犯 罪』             フェルディナント・フォン・シーラッハ    (創元推理文庫)
『エンジェル・メイカー』      ニック・ハーカウェイ         (ハヤカワ・ミステリ)

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2015 JAN.~JUN.
 昨年は年間映画鑑賞歴111本と乱読ならぬ乱観だったが、今年は少しセレクトして観ることにした。この半年の鑑賞歴は劇場で33本、試写で2本の計35本と昨年の6割ほどのペース。その中で今期のマイベストは以下の23作品(順番は鑑賞順)。『女優で観るか、監督を追うか』は小林信彦さんの最新刊のタイトルだけれど、僕が必ずチェイスする監督はイーストウッドとウディ・アレン。監督と言えばトルコ映画界の巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラン。カンヌ映画祭のパルム・ドール作品「雪の轍」が、日本初の劇場公開。カッパドキアの風景と濃密な台詞に圧倒されたが、3時間16分は余りにも長い。『スパニッシュ・アパートメント』『ロシアン・ドールズ』に続くセドリック・クラピッシュ監督の三部作が、『ニューヨークの巴里夫(パリジャン)』で完結。現代のヨーロッパの青春像が、勉強になった。
女優で観るのは僕の場合ナタリー・ポートマン、ニコール・キッドマン、スカーレット・ヨハンソンとモニカ・ベルッチあたりかな。『修羅雪姫』の梶芽衣子さん以降、女優さんで観る日本映画はない。今期のマイベストファイブは、『トラッシュ!』『アメリカン・スナイパー』『シェフ』『セッション』『ジェームズ・ブラウン』。アカデミー賞作品にはいつも少々違和感があるが、僕の好みでは『バードマン』よりも『セッション』だった。
『君が生きた証』 (RUDDERLESS)                   ウイリアム・H・メイシー監督
『ニューヨークの巴里夫』 (Casse-téte chinoise)             セドリック・クラピッシュ監督
『トラッシュ! この街が輝く日まで』 (TRASH!)             スティーヴン・ダルドリー監督
『ジャッジ』 (THE JUDGE)                         デイビッド・ドブキン監督
『ドラフト・デイ』 (DRAFT DAY)                      アイバン・ライトマン監督
『はじまりのうた』 (BEGIN AGAIN)                       ジョン・カーニー監督
『フォックスキャッチャー』 (FOXCATCHER)                   ベネット・ミラー監督
『アメリカン・スナイパー』 (AMERICAN SNIPER)            クリント・イーストウッド監督
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 (chef)              ジョン・ファヴロー監督
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』 (The Imitation Game)    モルテン・ティルドゥム監督
『パリよ、永遠に』 (Diplomatie)                   フォルカー・シュレンドルフ監督
『ジュピター』 (JUPITER ASCENDING)             ラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督
『バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡』 (BIRDMAN)  アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督
『マジック・イン・ムーンライト』 (Magic in The Moonlight)            ウディ・アレン監督
『ワイルド・スピード スカイミッション』 (FURIOUS 7)             ジェームズ・ワン監督
『フォーカス』 (FOCUS)                   グレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督
『セッション』 (WHIPLASH)                        デイミアン・チャゼル監督
『ラスト5イヤーズ』 (THE LAST 5 YEARS)             リチャード・ラグラヴェネーズ監督
『ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男』 (Get On Up)            テイト・テイラー監督
『靴職人と魔法のミシン』 (THE CoBBLER)                  トム・マッカーシー監督
『ターナー 光に愛を求めて』 (Mr. TURNER)                    マイク・リー監督
『ディオールと私』 (DIOL and I)                     フレデリック・チェン監督
『雪の轍』 (Winter Sleep : Kis Uykusu)               ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督

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