★ EVENT 『羽田航空博物館展 in HI City』
理事長を務めているNPO・HASM(羽田航空宇宙科学館推進会議)では、写真展『私の羽田アルバム展』(東京交通会館)を6回にわたって、また『羽田航空博物館展』(羽田図書館)を4回、開催してきた。そして今年初めて、この二つのイベントを融合させて、羽田イノベーションシティで、『羽田航空博物館展
in HI City:羽田空港開港90年』を開催した(10月10日~16日)。会場は、HI Cityのカフェ「Square Café / bar」という新機軸。ギャラリーや展示場以外で開催するのは、勿論初めての試みだった。開港90年を振り返る『私の羽田アルバム展』の写真パネルに加えて、斎藤茂太コレクションのエアラインバッグ、旅客機モデル、航空グッズ、さらに羽田の歴史を物語る映像も展示した。会期中には、松原大田区長も視察に訪れてくれ、解説役を務めた。
『僕の交書録』<BOOKS MY BEST 2021 AUG.~DEC.> 2021年8月~12月4か月間の読書は、購入が45冊、再読が2冊。年間の購入は計101冊だった。すべてが海外ミステリーで、Stay Homeの無聊を慰めてくれた。北欧ミステリーのマイブームは継続中。ヨナソン(アイスランド)、スヴァイストロプ(デンマーク)、ビョルク(ノルウェー)、ケプレル(スウェーデン)と、北欧各国の作家勢ぞろい。トリュックはフランスの作家だけれどストックホルム在住で、『影のない四十日間』は、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンにまたがるトナカイ警察(!)の物語だから、北欧グループに入れて良いだろう。
英国勢も好調で、ノックス、フィーニ―、グリフィス、タイス、クレイヴン、マッキンティと、新旧作家の佳作が目白押し。ミュッソ(仏)、ノイハウス(独)も加わって欧州勢は快調だ。アメリカ作家は、お気に入りのJ・D・ロブ、コナリーは常に期待を裏切らないし、クイン(デビュー作『戦場のアリス』は衝撃)も良かった。最も印象的だったのが、動物学者でもあるディーリア・オーエンズの『ザリガニの鳴くところ』。スリリングな展開のミステリーであると共に、ノースカロライナの湿地で生まれ育った無学文盲の少女が、作家・自然学者に成長するまでの物語でもある。今期出会った中で一番の秀作だろう。初見参の作家は事前にリサーチするし、ほとんどがお気に入りの鉄板作家の作品の購入だから、外れはほとんど無い。それでも特に気に入ったのが、以下の22作26冊。
『闇という名の娘』 (THE DARKNESS(DIMMA) ラグナル・ヨナソン (小学館文庫)
『狩られる者たち』 (INLAND) アルネ・ダール (小学館文庫)
『チェスナットマン』 (THE CHESTNUT MAN) セーアン・スヴァイストロプ (ハーパーBOOKS)
『笑う死体 マンチェスター市警エイダン・ウェイツ』(THE SMILING MAN) ジョセフ・ノックス (新潮文庫)
『スリープウォーカー マンチェスター市警エイダン・ウェイツ』 (THE SLEEP WALKER) ジョセフ・ノックス (新潮文庫)
『夜と少女』 (LA JEUNE FILLE ET LA NUIT) ギョーム・ミュッソ (集英社文庫)
『ザリガニの鳴くところ』 (Where the Crawdads Sing) ディーリア・オーエンズ (早川書房)
『彼と彼女の衝撃の瞬間』 (His & Hers) アリス・フィーニー (創元推理文庫)
『ときどき私は嘘をつく』 (SOMETIMES I LIE) アリス・フィーニー (創元推理文庫)
『見知らぬ人』 (The Strange Diaries) エリー・グリフィス (創元推理文庫)
『紅いオレンジ』 (BLOOD ORANGE) ハリエット・タイス (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン』 (I’M TRAVELING ALONE)
サムエル・ビョルク (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
『オスロ警察殺人捜査課特別班 フクロウの囁き』 (UGLEN) サムエル・ビョルク (ディスカヴァー文庫)
『闇より来たる使者 イヴ&ローク 52』 (SHADOWS OF DEATH) J・D・ロブ (ヴィレッジブックス)
『ブラックサマーの殺人』 (BLACK SUMMER) M・W・クレイヴン (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『母の日に死んだ』 (MUTTERTAG) ネレ・ノイハウス (創元推理文庫)
『砂 男』 (上・下) (Sandmannen) ラーシュ・ケプレル (扶桑社ミステリー)
『ウサギ狩り人』(上・下) (Kaninjägaren) ラーシュ・ケプレル (扶桑社ミステリー)
『影のない四十日間』 (上・下) (LE DERNIER LAPON) オリヴィエ・トリュック (創元推理文庫)
『亡国のハントレス』 (THE HUNTRESS) ケイト・クイン (ハーパーBOOKS)
『警 告』 (上・下) (FAIR WARNING) マイクル・コナリー (講談社文庫)
『レイン・ドッグス』 (RAIN DOGS) エイドリアン・マッキンティ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『僕のシネマテーク』<CINEMAS MY BEST 2021 AUG.~DEC.>
映画鑑賞は、不調が続いている。コロナ禍の影響が大きいが、地方暮らしのハンデ、比較的多忙だった(ありがたいことに)ことも原因だ。8月~12月期の映画鑑賞は、わずかに13本、しかもそのうち4本はVODの鑑賞だった(通常のテレビ放映映画は除く)。それでも秀作・佳作に出会えたのは嬉しかった。特に『イン・ザ・ハイツ』、『サマー・オブ・ソウル』、『アメイジング・グレイス』の3本は、永遠に記憶に残るだろう。
『イン・ザ・ハイツ』は、ニューヨークの片隅、ドミニカ、プエルトリコ、メキシコ、キューバなど出身の人々が暮らすワシントン・ハイツが舞台。歌と踊りに溢れたこの街で暮らす若者たちの物語。ブロードウェー・ミュージカルの映画化だ。ラティーノ・パワー炸裂の、ダンスシーンが圧巻!『サマー・オブ・ソウル』は、1969年夏にニューヨーク・ハーレムで開催された、ブラックミュージックの祭典「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のドキュメンタリー。若き日のブラックミュージックのスター勢揃いの革命的音楽フェスだったが、映像記録は50年間も封印され埋もれていたのだという。音楽ファン必見の、豪華なドキュメントだ。時代の空気感が、追憶と共に甦った。『アメイジング・グレイス』は、ソウルの女王:アレサ・フランクリンが、1972年にLAのバプティスト協会で行なったライブのドキュメンタリー。アレサの凄さが伝わる、最高のゴスペル・ライブだ。音と映像がシンクロしない技術的トラブルのため、未完に終わっていたものが、現代のデジタル技術で蘇ったもの。
『イン・ザ・ハイツ』 (IN THE HEIGHTS) ジョン・M・チュウ監督
『サンセット・ストリップ~ロックンロールの生誕地』 (SUNSET STRIP) ハンス・フェルスタッド監督
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』 (The Suicide Squad) ジェームズ・ガン監督
『サマー・オブ・ソウル あるいは革命がテレビ放映されなかった時』
(SUMMER OF SOUL…OR, WHEN THE REVOLUTION COULD NOT BE TELEVISED) アミール“クエストラブ”トンプソン監督
『レンブラントは誰の手に』 (MY REMBRANDT) ウケ・ホーヘンダイク監督
『MISS ミス・フランスになりたい』 (MISS) ルーベン・アウヴェス監督
『アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン』 (AMAZING GRACE) シドニー・ポラック撮影
『クーリエ:最高機密の運び屋』 (THE COURIER) ドミニク・クック監督
『天国にちがいない』 (IT MUST BE HEAVEN) エリア・スレイマン監督
『燃えよ剣』 (BARAGAKI UNBROKEN SAMURAI) 原田眞人 監督
『ラストナイト・イン・ソーホー』 (LAST NIGHT IN SOHO) エドガー・ライト監督
<2021年 JAN.~JUL.>
★ EDITING
『PHOREVER』の表紙と、この写真集のために使用許可を得たシンボルマークのPhantom Man (Spook)
空撮を中心とした、航空自衛隊ファントムⅡの雄姿が満載の写真集 (Photos by Katsuhiko Tokunaga)
『僕の交書録』<BOOKS MY BEST 2021 JAN.~JUL.> 2021年1月~7月期の読書は、ノンフィクションは『ノートルダム フランスの魂』の1冊のみ。
ノートルダム・ド・パリの歴史だ。ノートルダム大聖堂は、ずっとパリ市民の、フランス人の心の拠り所だったのだ。フィクションは海外ミステリのオンパレードで、北欧系の作家の佳品が目立った。スウェ―デンのレイフ・ペーション、アンデシュ・ルースルンド、カミラ・レックバリ、アルネ・ダール、ノルウエーのヨルン・ホルスト、アイスランドのラグナル・ヨナソン、いずれも僕のお気に入り作家の仲間入りだ。米欧のお気に入り作家、J.D.ロブ、カリン・スローター、マイクル・コナリー、ピエール・ルメートル、サラ・パレツキーも勿論期待を裏切らない。日本の作家では、やはり原田マハさん。ファン・ゴッホの死と、その死をもたらした拳銃をめぐるミステリ仕立ての物語。写真集の編集の仕事で、1月末から4月初めまでは多忙だったけれど、その後はコロナ禍による外出自粛もあって、読書三昧で退屈な時間をうっちゃる日々が多かった。今期の購入は56冊、再読が7冊、贈呈いただいたのが2冊という内訳だった。中でも特に読書の楽しみを満喫させてくれたのは、以下の22冊。
[Non Fiction]
『ノートルダム フランスの魂』 (NOTRE DAME :The Soul of France) アニエス・ポワリエ (白水社) [Fiction]
『平凡すぎる犠牲者』 (DEN SOM DÖDAR DRAKEN) レイフ・GW・ペーション (創元推理文庫)
『三時間の導線』(上・下)(TRE TIMMAR) アンデシュ・ルースルンド (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『黄金の檻』(EN BURAV GULD) カミラ・レックバリ (ハヤカワ文庫NV)
『靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査班』 (MISTERIOSO) アルネ・ダール (集英社文庫)
『鍵穴 警部ヴィスティング』 (THE INNERMOST ROOM) ヨルン・リーエル・ホルスト (小学館文庫)
『閉じ込められた女』(THE MIST) ラグナル・ヨナソン (小学館文庫)
『死を運ぶ黄金のタマゴ』〈イヴ&ローク51〉(GOLDEN IN DEATH) J.D.ロブ (ヴィレッジ・ブックス)
『スクリーム』(THE SILENT WIFE) カリン・スローター (ハーパーBOOKS)
『鬼火』(上・下)(THE NIGHT FIRE) マイクル・コナリー (講談社文庫)
『われらが痛みの鏡』(上・下)(Miroir de nos peines) ピエール・ルメートル (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『フォールアウト』(FALLOUT) サラ・パレツキー (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『ラスト・トライアル』(THE LAST TRIAL) ロバート・ベイリー (小学館文庫)
『刑事失格』 (The Good Detective) ジョン・マクマホン (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『危険な男』(A DANGEROUS MAN) ロバート・クレイス (創元推理文庫)
『咆哮』 (Der Prinzessinnenmörder) アンドレアス・フェーア (小学館文庫)
『警視の謀略』 (TO DWELL IN DARKNESS) デボラ・クインビー (講談社文庫)
『老いた殺し屋の祈り』(COME UN PADRE) マルコ・マルターニ (ハーパーBOOKS)
『続・用心棒』 (THE HARD STUFF) デイヴィッド・ゴードン (ハヤカワ・ミステリ)
『 夜 』 (NUIT) ベルナール・ミニエ (ハーパーBOOKS)
『帰らざる故郷』 (THE UNWILLING) ジョン・ハート (ハヤカワ・ミステリ)
『リボルバー』 原田マハ (幻冬舎)