「RED BULL AIR RACE 2017 CHIBA」

 6月3日(予選)、4日(決勝)、「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2017千葉」が、千葉市美浜区の幕張海浜公園に面した海上特設コースで開催された。今年で3回目の千葉大会だ。4月に開催されたサンディエゴ大会で優勝した室屋義秀選手が、ファルケンカラーの#31を駆って連勝し、昨年に続いて母国開催の千葉大会2連覇を果たした。これで室屋さんは、年間ワールドチャンピオン争いでトップに立った。
   表彰台中央に室屋義秀選手。2連覇達成だ。2位#18コプシュタイン、3位#8ソンカは共にチェコのレーサー。

 今年は、ブライトリング・ジャパンさんがスカイラウンジに招待してくれたので、3日の予選はシャンパン片手の優雅な観戦となった。午前中に、仮設ランウェイとチーム・ハンガーがある、浦安市総合公園の護岸エリアへハンガーツアー。各チームの機体を見て回る。レースへの抱負を語ってくれた室屋さんと記念撮影。#31 Zivko Edge 540V3のコンディションは上々とのこと。ブライトリング・レーシングチームのミカ(ミカエル)・ブラジョーとは、先週の福島空港以来の再会(ジャパンツアー中のブライトリングDC-3を、ミカが福島に訪ねてくれたのだ)。#11 MXS-Rのコクピットまで見せてくれた。彼とも記念撮影。今年のブライトリング・レーサーは、クラシック・グリーンのボディにイエローのロゴという塗装だ。古い感じを出すために、わざわざ汚れや経年変化を塗装に施している。

ブライトリング・レーシングチームの#11(浦安のハンガーで)   ハンガーでミカ選手と記念撮影
 昼過ぎに幕張のレース会場へ。最高級のスカイラウンジでの観戦だから、ビュッフェは食べ放題、シャンパンやビールは飲み放題という優雅なものだ。お天気は良いし、ラウンジはゴージャス。予選ということもあって、なかなかレースに集中できない。結果は#84カナダのピート・マクロードが首位に立ち、室屋さんは4位につけた。ミカの#11は12位だった。
高速で安定したフライトを披露した室屋選手の#31 ハンガーでレースへの抱負を語ってくれた室屋選手
 レースの合間に、様々な機体がデモンストレーションするサイドアクトも、レッドブル・エアレースでの楽しみだ。今年の千葉大会のサイドアクトには、ブライトリングDC-3と、石塚政秀氏所有の零戦22型(AI-112/N553TT)が登場した。零戦のパイロットは柳田一昭氏。戦後初めて零戦の操縦桿を握った、日本人パイロットだ。両機とも、3日、4日の両日とも、レースコース上空をローパスし、観客を沸かせた。史上初めて、零式輸送機(日本で製作したDC-3の海軍型名)と零式戦闘機が、同じ東京湾の空域を飛行したことになる。平和への願いを込めたフライトだった。福島でのイベントを先週終えたブライトリングDC-3は、給油基地の仙台空港からの飛来だ。3日の幕張へのフライトの操縦はフランシスコ・アグーロ、ポール・ベイズリーだったので、ラファエル・ファブラはオフ。仙台からやってきたラファエルと一緒に、スカイラウンジでレースを観戦し、DC-3のデモフライトを見守った。
サイドアクトに出演したブライトリングDC-3 パイロンをかすめる零戦。3日は脚出しのままの飛行だった。
 決勝の4日も好天に恵まれた。この日は、レースエアポートがある浦安市総合公園のパブリックビューイングで観戦。今年は大スクリーンの横に、表彰台が設置された。これで表彰式がライブで観られる。決勝のスタートRound of 14では、室屋選手はヒート2で#18ペトル・コプシュタインと対戦、1000分の7秒差で勝利。続くRound of 8では、ヒート8でマット・ホールと対戦、どちらもペナルティを加算される対決となったが室屋選手が逃げ切った。
 決勝戦のFinal 4出場は、#31室屋選手、初戦で室屋選手に敗れたものの最速敗者として勝ち残って来たコプシュタイン、#21マティアス・ドルダラー、#8マルティン・ソンカの4人。まず室屋選手が55秒288ノーペナルティ。コプシュタインが55秒846ノーペナルティ。これで室屋選手の表彰台は確定。3番手のドルダラーは、室屋選手を上回るスピードでレースをリードしたが、ラストのゲート11で何とパイロンヒット! 3秒のペナルティが加算され57秒943。表彰台のポジションは、実力者ソンカの記録次第で決まることになった。ソンカは終始室屋さんをリードするタイムで、パイロンをクリア。優勝はソンカかと思われたが、ゲート4での水平姿勢が不十分との判定でペナルティ2秒が加算され、結果は56秒533。室屋選手の千葉大会2連覇が決まった。パブリックビューイングの大スクリーンを、まさに固唾をのんで見守っていた僕たちの喜びが、ソンカのペナルティの表示が出た瞬間に爆発した。#31ハンガーからもクルーの歓声が聞こえる。
 大スクリーンの横に設けられた表彰台で、栄光の表彰式が始まった。チェコの国旗に挟まれて、センターポールに日章旗だ。表彰台のてっぺんで、室屋さんがトロフィーを高く掲げる。続いてシャンパンファイトだ。浦安市総合公園は、いつまでも室屋選手優勝の余韻に酔い痴れていた。
鮮やかなパイロンターンを見せる室屋選手の#31