写真提供:(財)兼高かおる基金 |
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撮影:八重野充弘 |
「兼高かおる賞」とは」
150余りの国々を取材し、TVの長寿番組「兼高かおる世界の旅」(TBS系、1959~1990)で知られた兼高かおるさんは、海外旅行ブームをけん引したジャーナリストであり、兼高さんに憧れ、旅行業界のリーダーあるいは作家や文化人をめざした人々は数知れません。また、一般社団法人日本旅行作家協会で創立会長斎藤茂太氏のあとを継ぎ2代目会長、さらに名誉会長として、会員に指針を与えてこられました。しかし残念ながら2019年1月に90年の生涯を閉じられました。
私どもは兼高さんの業績を称えるとともに、遺志を受け継ぎ、その名が後世にまで語り継がれてゆくことを願い、一般社団法人日本旅行業協会および一般財団法人兼高かおる基金とともに、本賞を創設しました。
◆選考の基準
①兼高かおるさんのイメージに重なる人柄、業績を主眼に選定する。イメージの基準は、企画力、行動力、表現力、チャレンジ精神、好奇心、気品、我慢強さ、プロ根性、茶目っ気、ユーモアなどを要素とする。
②業績を築き上げたベテランというよりも、第2第3の兼高さんになる可能性のある人の発掘に重きをおく。また、相当の実績をあげ、相当の知名度がある中でも、今後一層の活躍が期待できる人を受賞候補とする。
③国際貢献に尽くした(尽くしている)日本人。
④旅に関連する仕事をしている人。
⑤基本的に人を対象とし、団体や放送番組、イベントなどの企画も対象とする。
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ヤマザキ マリさん プロフィール(写真提供:㈱スマイルカンパニー)
漫画家・随筆家。東京造形大学客員教授。
1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。
2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞受賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。15年度芸術選奨文部科学大臣賞新人賞受賞。17年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『スティーブ・ジョブス』(ワルター・アイザックソン原作)、『プリニウス』(とり・みきとの共著)、『オリンピア・キュクロス』『国境のない生き方』『ヴィオラ母さん』『たちどまって考える』『ヤマザキマリの世界逍遥緑』など。
◆選定の理由(兼高かおる賞実行委員会)
14歳の時にひとりでドイツとフランスを旅したのを皮切りに、17歳でイタリアに留学するなど若いころから海外生活を経験し、国際感覚を自然と身につけた方です。イタリア暮らしを綴ったエッセー漫画でデビューした後、北海道に住んでいたころは地元札幌テレビ(STV)の番組「どさんこワイド」で旅行・温泉のレポーターを担当、ラジオのパーソナリティも務めるなど、活躍の場を広げました。その後、文筆家として多くの著作を発表、また、さまざまなTV番組のコメンテーターとして、いまではなくてはならない存在となっています。兼高かおるさんのファンでもあったことから、『わたくしが旅から学んだこと』(兼高かおる著)の「解説」を書いたり対談したり、兼高さんと生前からのご縁もありました。実績、知名度はもちろん、本賞の、特に第1回受賞者にふさわしい条件の多くを満たす方です。 |
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