
雲野秀美著 リチェンジ 2025年6月刊
学齢前の子ども2人を連れた4人家族が、主にキャンピングカーを使って5年にわたる世界一周旅行をした記録。
最初この本を知ったときには、正直のところ信じられず、親の勝手な考えに子どもを付き合わせていると感じた。ところが、読んでみると、小さいとはいえ子どもも含め、家族で決めた旅だとわかる。国外にいる場合の教育方法も、考えぬかれた、きちんとした姿勢の上に成り立った旅である。カナダ、アラスカへは飛行機、その後は現地で買ったキャンピングカーで巡る旅。車中泊に加えて、各地で旅行者を受け入れるWorkawayという制度を多用して現地の人とも交流を重ねる。特筆すべきは筆者(お母さん)の文章の滑らかさ。とてもフラットで嫌味のない素敵な文章と、適度に省略された行程が本書をとても読みやすくしている。常識を超えた良識の視点を感じさせる旅で、旅の見聞・体験を通して子どもの成長が伝わってくる。この旅は2019年9月から始まり、コロナ禍を中南米で過ごし、2024年5月に帰国している。
読みながら、自分が狭い常識に固まっていたかなと、感じさせられた。絶景旅をし、大都会を歩き、アウシュビッツ収容所を訪ね、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教に触れ、多種多様ないくつもの国境を越え、氷河・砂漠・都市・農園を過ぎる旅。良書として多くの人に薦めたい。
