Recommended Travel Books Vol.1第1回 旅の良書 (順不同) 深夜航路 午前0時からはじまる船旅清水浩史(草思社)真っ黒の海にきらめく星々、ただただ静まり返る船内―それは午前0時からはじまる船旅。日本で現在運航する深夜便全14航路を旅する、怪しくタイムスリップしたかのような異色の旅行記。 いのりの海へ ― 出会いと発見 大人の旅渡辺憲司(婦人之友社)「生きていること、生かされていることへの感謝とは、悲しみを伝えること、そしてそれが祈り」と語る著者の、旅先で出会う歴史と文化と人々との触れ合い。旅する大人のつぶやきが心に沁みる佳品。 世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記藻谷浩介(毎日新聞出版)地域エコノミストの著者が、ライフワークとして取り組む「世界の実体経済についてのまちかど調査」。そのライフログ的な記録を、膨大な地理・歴史の教養を交えてまとめた新しいタイプの旅行記。 モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語内田洋子(方丈社)イタリア、トスカーナの山深い村から、本を担いで行商の旅に出た人たちがいた。ダンテ、活版印刷、禁断の書、ヘミングウェイ。丁寧な聞き取りから、本と本屋の原点を探る歴史ノンフィクション。 「五足の靴」をゆく 明治の修学旅行森まゆみ(平凡社)明治40年夏、与謝野鉄幹と若き北原白秋、吉井勇らが、南蛮文学やキリスト教伝来に興味を抱いた九州の旅の足跡を丹念にたどり、そのゆかりの場所を訪ね、土地の人々から地域の情報を聞く。 極夜行角幡唯介(文藝春秋)暗闇のなか、氷床を歩き続け3カ月ぶりに太陽を見た時、人は何を思うのか。太陽が昇らない「極夜」の冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで踏破した探検家による究極の冒険ノンフィクション。 離島ひとり旅大畠順子(辰巳出版)日本の離島をひとりで旅することを愛する著者が、全国の30の離島で見つけた不思議なもの、心癒やされる絶景、そして出会った島人との交流をまとめた紀行エッセイ。まだ知らない日本への誘い。 森の教え、海の教え~辺境の旅から芦原伸(天夢人)二ホンオオカミの足跡を追って奈良・大台ヶ原へ。鯨漁で栄えた五島列島へ。森と海を巡る17の辺境の旅から現代社会を見つめた紀行ルポ。それぞれの土地に生きる人々の知恵、教えが記される。 遊廓へ――女子ひとりで街歩き花房ゆい(柏書房)昭和レトロなかわいい看板、おもしろい形をした窓、色とりどりのおしゃれなタイル……そこでしか出会えない風景をさがして、遊郭愛好家が全国各地の遊廓跡を訪ねた記録。 外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史内田宗治(中央公論新社)外国人は何を見たいのか。日本人は何を見せたいのか。日本の魅力はいったいどこにあるのか、誰がどう発見し、アピールするのかを追う。めまぐるしく変転する観光の近現代史。