Kanetaka Kaoru Award Vol.3
第3回 兼高かおる賞





第3回受賞者 サヘル・ローズさん
プロフィール
イラン出身。7歳までイランの児童養護施設で過ごし、8歳で養母とともに来日。高校時代に芸能活動を始め、J-WAVEで初のラジオレポーターを経験し芸能界入り。2018年公開の主演映画『冷たい床』でミラノ国際映画祭をはじめとする様々な映画祭にて賞を受賞。2022年に舞台『恭しき娼婦』でも主演をつとめました。映画・舞台の出演だけでなく、近年では映画監督などマルチに活躍し、表現者として活動の幅を広げています。2020年にはアメリカで人権活動家賞を受賞。2024年には自身が監督を務めた『花束』が公開されました。芸能活動以外にも、個人で国内外問わず支援活動を続け、2024年には、エッセイと自身初の絵本が同時発売されました。


選定の理由
兼高かおるさんのイメージに重なる人柄、業績を主眼に選定。企画力、行動力、表現力、チャレンジ精神、好奇心、気品、我慢強さ、プロ根性、茶目っ気、ユーモアなどから判断しました。
サヘル・ローズさんは、来日以来、世界各国を訪れ、持ち前のあふれる好奇心と笑顔で、どの土地でもそこに住む人々と言葉を交わし、旅行ガイドブックでは知ることができない貴重な出会いを繰り広げてきました。また、ジャーナリスティックな視点も持ち合わせ、独自にどんどん切り込んでいく姿勢も兼高かおるさんの行動力を彷彿させるものがあります。
表彰式でサヘル・ローズが発した言葉は、印象に残りました。「飛行機が飛んでいるのを見て、ああ、海外旅行に行きたいなと思う人たちがいる。その一方で、飛行機の飛ぶ音を聞くと爆弾が落ちてこないかなと怖がる子供たちがいる」。世界には、平和とは程遠い地域があります。こうした問題意識を持ちながら旅を続けるサヘル・ローズさんは、兼高かおる賞にふさわしい1人だと思います。
(兼高かおる賞実行委員会)