バルカン半島4カ国取材旅行(1)

小川裕司/文・写真

プリシュティナ(コソボ)

参加した理由

駐日アルバニア大使館に勤務し、現地の旅行会社(JTWOの賛助会員Past&PresentJourney社)の仕事もしているローレンさんに、バルカン半島の話を聞いたことがあった。私の全く知らない世界だったので興味を覚え、いつか機会があれば訪ねたいと思っていたところ、バルカングループが「バルカン4カ国の旅」を募集していると聞き早速申し込んだ。参加者は、JTWOから芦原伸団長、川口正義さん、清原真里さん、藤岡比佐志さん、宝迫典子さん、峰村均さん、(ここまで50音順)と、わたくし小川裕司の7名。そこにJTWO会員の友人3名が加わって、総勢10名の旅となった。

出発

6月20日(木)
羽田空港発18:30。添乗員の山田昌弘さんと参加メンバーはお互いに挨拶を交わし、無事ターキッシュエアライン(TK199)に乗り込んだ。
6月21日(金)
羽田から13時間のフライトを経て乗り換え地イスタンブールに着いた。喉が渇いたのでさっそく空港内のオシャレなバーで喉を潤した。生ビールが1杯15ユーロ(約2500円)と円安を実感。ここイスタンブールから私の友人が合流し、総勢10名が揃った。

コソボ到着

イスタンブールからターキッシュエアライン(TK1017)に乗り継ぎ、最初の訪問地コソボ共和国の首都プリシュティナに降りたった。良い天気。現地ガイドのお迎えを受け、大型の快適な専用バスに乗り幸先の良いスタート。旅は始まったばかりで車内には元気が充ちている。まずはプリシュティナ郊外のユネスコ世界遺産グラチャニッツァ修道院を訪問した。

コソボは2008年にセルビアから独立宣言をし、アルバニア人が92%の国。ただしセルビアは現在でもコソボの独立を認めておらずセルビアの自治州との位置付け。グラチャニツアはセルビア人の村のためコソボの国旗でなくセルビア共和国の国旗が見られた。
このグラチャニツア修道院は6世紀の教会廃墟後にビザンツ様式で建てられたセルビア正教会。中世セルビア教会建築様式との説明を受けた。なんだかバルカンの歴史は複雑と思った。

修道院の訪問後、プリシュティナの街の中心部へ移動した。メインストリートであるマザーテレサ大通りの南の起点マザーテレサ大聖堂を覗いてみる。明るく天井が高くステンドグラスが美しい大聖堂であった。この大聖堂から大通りを北へ散策。国民的英雄スカンデルベルグ像のある広場へと歩く。内戦後に整備されていかにも国を代表するメインストリートという感じ。社会主義時代の巨大建造物とオスマン帝国時代のイスラム建築が混じり合う独特な雰囲気があった。

メインストリートの北の起点スカンデルベグ像のある広場のさらに北側に旧市街があり、ここも散策した。有名なモスク、ファーティヒ・ジャミーアの内部も見学した。独特のオスマン建築。女性はスカーフ着用。オスマン帝国時代の雰囲気が残り味のあるエリア。近くに風情のある時計台もあった。昼食はプリシュティナ郊外の緑の多い自然公園内にあるレストランに移動。ブルガリア風の野菜サラダと鱒のグリルをいただいた。昼食後はバスでコソボ南部の歴史都市プリズレンに向かった。楽しい初日であった。

コソボで感じたことは色々な時代の建物(ビザンツ帝国時代、オスマン帝国時代、社会主義時代、現代)が混在していて町に独特な雰囲気があること。
街の中ではコソボの国旗だけでなく、アルバニアの国旗や、セルビアの国旗も見られたこと。街の中に首輪のない放し飼いの犬が多いことなどでした。