Recommended Travel Books Vol.4第4回 旅の良書 (順不同) 真夏の刺身弁当 旅は道連れ世は情け沢野ひとし(産業編集センター)子どもの頃の放浪や登山体験に始まって、世界あちこちへの旅行や長期滞在の思い出を味のある筆致で描く28篇のエッセイ集。氏ならではのイラストも文章に素敵にマッチング。 80歳、歩いて日本縦断石川文洋(新日本出版社)報道カメラマンとしてベトナム戦争などの取材で知られる御年80歳の石川文洋氏の日本縦断歩き旅日記。歩き旅ならではの出会いと気づきと感動に満ちた3500キロの旅の物語。 世界遺産 キリシタンの里 長崎・天草の信仰史をたずねる本馬貞夫(九州大学出版会)長崎、平戸、天草、外海、五島列島と潜伏キリシタンの里を訪ね、貴重な証言とともにその聖地や史跡を丹念にたどる。この地の世界文化遺産を巡るガイドとしても必携の1冊。 ぶらりユーラシア 列車を乗り継ぎ大陸横断、72歳ひとり旅大木茂(現代書館)72歳のカメラマンによるユーラシア大陸最東端から最西端まで16か国を行く2万キロの鉄道紀行。ユーラシアの人々、暮らし、そして地域と文明を活写する1000枚の写真も見事。 観光の力 世界から愛される国、カナダ流のおもてなし半藤将代(日経ナショナルジオグラフィック)コロナ後の観光でますます重要視されるサスティナブルツアーという考え方。この課題解決へのヒントとなる、サスティナブルツアー先進国カナダの8つの事例にみる旅の新しい形。 花街の引力 東京の三業地、赤線跡を歩く三浦展(清談社Publico)花街、三業地、遊廓、岡場所、赤線地帯、カフェー街……。「夜の街」の残り火のような痕跡を残す43の街を歩き、失われつつある昭和という時代の手触りを求めてルポルタージュ。 旅がくれたもの蔵前仁一(旅行人)著者が旅先で買ったり、もらったり、拾ったりしたさまざまなコレクションを約400点、入手したエピソードとともに紹介。カラー写真満載で、見て、読んで、世界を楽しめる1冊。 ポルトガル、西の果てまで福間恵子(共和国)ポルトガルに通うこと18年、13回もの旅。だからこそ生まれた人との出会い、お気に入りの食堂…。著者の一つひとつ大切にしているエピソードが織りなす魅惑の紀行エッセイ。 JK、インドで常識ぶっ壊される熊谷はるか(河出書房新社)高校入学を目前に控え父親の転勤により突然インドへ引っ越すことに。格差社会の光と影を女子高生視線で描く、眩しくて、清々しくて、でも頼もしさすら感じさせるインド滞在記。 旅する少年黒川創(春陽堂書店)著者の少年時代、1973年の小学6年から中学3年卒業までの回想旅行記。著者撮影の写真、切符類も多数掲載。繰り返された旅のディテールがほぼ正確に記された稀有な作品。 戦争とバスタオル安田浩一・金井真紀(亜紀書房)風呂好きの2人が、タイ、沖縄、韓国、大久野島(広島県)など旅先の風呂をめぐり「湯けむりの先にある歴史の真実」をたどる旅。世代も性別も異なる二人の共著だからこそ描けた歴史紀行。