<2014年 JAN.~APR.>

STAGE  Lecture

 2014年第1期の講演は、「山口県ひとづくり財団」主催の環境学習講演会(2月2日、山口県セミナーパーク、山口市)のみだった。『宇宙から考える 地球温暖化と私たちの暮らし』のタイトルで、世界のエネルギー情勢、地球温暖化の現状、温暖化防止のために私たちが出来ること、などの内容で講演。定員をオーバーする申し込みがあり、満員の会場で衛星画像などを多用しながら、講演させていただいた。

WRITING  Article

 ETT(フォーラム・エネルギーを考える)のWeb magazine掲載の「私はこう思う!」欄に、『原子力の復権』を執筆。新しい「エネルギー基本計画」と、地球温暖化(気候変動)防止における原子力の役割を論じた小文。記事はこちら

 
COMMENT on TV, Newspaper, Magazine

 今期は、各種メディアからコメントを求められることが多かった。時系列で振り返ってみると、まず雑誌「プレジデント」(2014.2.17号)で、ジェットパック(背負い型飛行装置)の実用化について論評。
 そして消息を絶ったマレーシア航空機のケース。3月8日クアラルンプールから北京へ向かっていた、マレーシア航空B777が、遭難信号を出さないまま忽然と姿を消したあの事件。当初は機械的トラブルか、ヒューマンエラーか、はたまた爆弾テロかと、墜落原因をめぐって諸説が入り乱れた。航空評論家としてコメントを求められた僕は、夕刊フジ、日本経済新聞、雑誌「フライデー」、TBS「朝ズバッ!」、テレビ朝日「ワイドスクランブル」で可能性のある事故原因について解説、論評。しかしその後この件は事故から事件へと変貌し、全くのミステリと化した。なぜか飛行方向を変えて南インド洋に墜落したものと推測されるものの、現在も行方不明。遭難10日後に、再び夕刊フジに捜索についてコメントしたのを最後に、僕も論評を止めた。
 3月30日に羽田空港の国際空港化が拡大され、都心から世界の都市への空の旅が格段に便利になったが、その羽田の国際化拡大に関し、羽田と成田の今後についてフジテレビ「めざましテレビ」でコメント。
 4月に入って、ベトナム航空の客室乗務員が、日本で万引された衣料品をベトナムに運んだとして、盗品等運搬の疑いで逮捕された事件について、東京新聞でコメント。多様なコメントの季節だった。

齋藤茂太先生の遺品整理

 ご遺族からの依頼で、故・齋藤茂太創立会長の遺品:航空コレクション整理のお手伝い。応接間を占領していたファーストクラスの2連座席4組、巨大な木製プロペラをはじめ、何が入っているのか不明の段ボールの山など、マニア垂涎のコレクションの数々。まず大物を整理することになり、座席、プロペラ類、航空部品のごく一部を、僕が理事長を務めているNPO 「羽田航空宇宙科学館推進会議」の倉庫に収容、エアプレーンモデル10機ほどは僕がお預かりし、わが家のエア・フリートに加えさせていただいた。しかし最大の茂太コレクションである、世界のエアラインのフライトバッグ(約600個?)の整理はこれからで、まだ齋藤邸の物置に眠っている。クリーンアップ、リスト製作、そして収納管理が、これからの作業になるが、工程はまったくの未定。世界に誇る貴重なコレクションだけに、未来につながる管理をしたいと思ってはいるのだけれど…。

『僕の交書録』<BOOKS MY BEST 2014 JAN.~APR>

 2014年1月~4月期の読書歴は、購入が40冊、贈呈いただいたのが4冊の計44冊。まずは順調な読書ライフだった。洋書と専門書を除いたマイホビーとしての読書の、この期のマイベストは以下の16作品、22冊。順番は読了した順。ベストスリーは『地図と領土』『帝国のベッドルーム』『凍てつく世界』。ミステリでは北欧勢のレックバリ、トンプソンが快調で大いに楽しめた。レックバリはこれが翻訳6作目だが、すべてが秀作。『鴬谷』の異界風俗ルポには蒙を啓かれた!
[ Non Fiction ]

『ユートピアの歴史』グレゴリー・クレイズ(東洋書林)
『東京最後の異界 鴬谷』本橋信宏(宝島社)
『幻影の明治 名もなき人々の肖像』渡辺京二(平凡社)

[ Fiction ]

『凍てつく世界 Ⅰ~Ⅳ』ケン・フォレット(SB文庫)
『ブラック・フライデー』マイクル・シアーズ(ハヤカワ文庫NV)
『黒のクイーン』アンドレアス・グルーバー(創元推理文庫)
『第三の銃弾 (上)(下)』スティーヴン・ハンター(扶桑社ミステリー)
『アンダルシアの友』アレクサンデル・セーデルベリ(ハヤカワ・ミステリ)
『凍氷』ジェイムズ・トンプソン(集英社文庫)
『地図と領土』ミシェル・ウエルベック(筑摩書房)
『もうひとつの街』ミハル・アイヴァス(河出書房新社)
『巨大訴訟 (上)(下)』ジョン・グリシャム(新潮文庫)
『人魚姫 エリカ&パトリック事件簿』カミラ・レックバリ(集英社文庫)
『帝国のベッドルーム』ブレット・イーストン・エリス(河出書房新社)
『裁きの鐘は (上)(下)』 ジェフリー・アーチャー(新潮文庫)
『遮断地区』ミネット・ウォルターズ(創元推理文庫)

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2014 JAN.~APR.>

 アカデミー賞の発表時期でもあり、映画配給各社から試写のお誘いも多く、1月~4月の映画鑑賞歴は劇場で30本、試写で6本の計36本と快調。秀作が多かったが、僕なりのマイベストは以下の16本。順番は鑑賞順。アカデミー賞受賞作『それでも夜は明ける』は政治的に正しい選択なのだろうが、僕の評価は次点クラス。マイベストファイブは、『アデル』『ブランカニエベス』『ダラス・バイヤーズ・クラブ』『17歳』、そして過去最高のカーレース映画『ラッシュ』。

『ブランカニエベス』(BLANCA NIEVES)パブロ・ベルヘル監督
『アメリカン・ハッスル』(American HUSTLE)デヴィッド・O・ラッセル監督
『ラッシュ/プライドと友情』(RUSH)ロン・ハワード監督
『ソウルガールズ』(THE SAPPHIRES)ウェイン・ブレア監督
『ハンナ・アーレント』(HANNAH ARENDT)マルガレーテ・フォン・トロッタ監督
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(THE WOLF OF WALL STREET)マーティン・スコセッシ監督
『大統領の執事の涙』(THE BUTLER)リー・ダニエルズ監督
『17歳』(Jeune & Jolie)フランソワ・オゾン監督
『メイジーの瞳』(What Maisie Knew)スコット・マクギー&デヴィッド・シーゲル監督
『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(Dallas Buyers Club) ジャン=マルク・ヴァレ監督
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(NEBRASKA) アレクサンダー・ペイン監督
『LIFE ! 』(The Secret Life of Walter Mitty)ベン・スティラー監督
『あなたを抱きしめる日まで』(Philomena)スティーヴン・フリアーズ監督
『マドモアゼルC 』(MADEMOISELL C)ファビアン・コンスタン監督
『アデル、ブルーは熱い色』(LA VIE D’ADELE CHAPITRES 1 et 2 )アブデラティフ・ケシシュ監督
『オーバー・ザ・ブルースカイ』(the BROKEN CIRCLE BREAKDOWN)フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン監督

<2014年 MAY~AUG.>

WRITING Book & Article

 出版は執筆ではなく監修。『ポプラディア大図鑑WONDA 自動車・船・飛行機』(ポプラ社、2,000円+税、2014年7月発行)の、飛行機セクション監修を担当。学校を始め全国の図書館に収蔵される大図鑑シリーズの1冊。たくさんの子供たちに読んで、眺めてほしい。
 原稿はNPO羽田航空宇宙博物館推進会議の機関誌「羽田の青い空」所収のコラム「私の大切な物」に、『三枚のディプロマ』を執筆(2014年6月、第71号)。大切なのは「モノ」ではなく「経験」という趣旨で、その経験を証明する三枚のディプロマ(証明書)について綴ったもの。ディプロマその1は、米空軍のF-15イーグル戦闘機に同乗した飛行証明書(1981年)。ディプロマその2は、米海軍の航空母艦「キティ・ホーク」に、アレスティング・フックを使ってC-2Aグレイハウンドで着艦した証明書(フック勲位授与証明書、2006年、離艦ではカタパルト発進も体験)。ディプロマその3は、ブライトリング・ジェット・チームのL-39Cアルバトロスで、アクロバット飛行に同乗した証明書(2013年)。それぞれのディプロマにまつわる、貴重なフライト経験を回顧した内容。40年以上にわたる航空界取材のエポックだった。

●これが三枚のディプロマ

STAGE  Lecture

 今期の講演会も前期と同様に残念ながら1件のみ。「島根県商工会議所連合会」主催の講演会(7月30日、松江市しんじこ温泉・ホテル一畑)。演題はこのところの定番『宇宙から考える 地球温暖化と私たちの暮らし』。宇宙から観た地球などの衛星画像を駆使して、地球温暖化防止のためには、省エネルギー、再生可能エネルギー、そして原子力発電が重要と、県内商工会議所の幹部の皆さんにレクチュアさせていただいた。せっかく宍道湖の温泉ホテルへ行ったのに、日帰りだったのが残念! 久しぶりに米子鬼太郎空港を使い、ターミナルビルで鬼太郎ファミリーに再会?!

COMMENT on TV, Radio, Newspaper

 今期は、各種メディアからコメントを求められることが多かった。時系列で振り返ってみると、まず雑誌「プレジデント」(2014.2.17号)で、ジェットパック(背負い型飛行装置)の実用化について論評。
 そして消息を絶ったマレーシア航空機のケース。3月8日クアラルンプールから北京へ向かっていた、マレーシア航空B777が、遭難信号を出さないまま忽然と姿を消したあの事件。当初は機械的トラブルか、ヒューマンエラーか、はたまた爆弾テロかと、墜落原因をめぐって諸説が入り乱れた。航空評論家としてコメントを求められた僕は、夕刊フジ、日本経済新聞、雑誌「フライデー」、TBS「朝ズバッ!」、テレビ朝日「ワイドスクランブル」で可能性のある事故原因について解説、論評。しかしその後この件は事故から事件へと変貌し、全くのミステリと化した。なぜか飛行方向を変えて南インド洋に墜落したものと推測されるものの、現在も行方不明。遭難10日後に、再び夕刊フジに捜索についてコメントしたのを最後に、僕も論評を止めた。
 3月30日に羽田空港の国際空港化が拡大され、都心から世界の都市への空の旅が格段に便利になったが、その羽田の国際化拡大に関し、羽田と成田の今後についてフジテレビ「めざましテレビ」でコメント。
 4月に入って、ベトナム航空の客室乗務員が、日本で万引された衣料品をベトナムに運んだとして、盗品等運搬の疑いで逮捕された事件について、東京新聞でコメント。多様なコメントの季節だった。

COVERAGE

 日本航空のハンガー(羽田)で、機首部分が保存されているダグラスDC-8「富士号」(JA8001)を取材した(5月31日)。整備中の最新鋭ボーイング787の陰にひっそりと保管されていた。これは日本に導入された初めてのジェット旅客機という、歴史的存在だ。1960年にJALが導入、羽田~ホノルル~サンフランシスコ線で活躍。1974年に引退し、機首部分だけが保存されている(機体全体を保存できなかったのが残念)。かつて「空の貴婦人」と呼ばれた麗姿を、残された機首部分から偲ぶ。リニューアルした日本航空のミュージアムも見学。
 昨年に続いて、原田信雄氏が所有する「河口湖飛行舘」(通称ZERO MUSEUM、山梨県鳴沢村)を見学(8月2日、この博物館は夏季1か月のみオープン)。河口湖のセカンドハウスからすぐの距離に所在。復元した三菱零式艦上戦闘機21型と52型を所有する唯一の博物館だ。現在は三菱一式陸上攻撃機を復元中。館内および所蔵機の写真の公表は禁止されているので、残念ながらここに紹介できない。

『僕の交書録』 <BOOKS MY BEST 2014 MAY~AUG.>

 5月~8月期の読書歴は、購入が34冊、贈呈いただいたのが2冊の計36冊と少な目だった。猛暑のせいか? そのうち洋書と専門書を除いた、趣味としての読書ライフのマイベストは以下の12作品14冊。順番は読んだ順。ベストスリーは『ランサローテ島』『紙つなげ!』『プロット・アゲンスト・アメリカ』。鬼才ウエルベックの作品は、『地図と領土』に続いて今年2冊目の翻訳出版だが、もっともっと読みたい作家だ(絶版が多い旧作は古本市場ですごい高値がついている!)。佐々さんの『紙つなげ!』は、物書き、編集者には必読の1冊。紙を造る人々に感謝!『プロット・アゲンスト・アメリカ』は、1940年の大統領選挙で、空の英雄リンドバーグがローズベルトを破ったアメリカが舞台の歴史IF小説。リンドバーグ大統領下でのユダヤ人ファミリーの生活と苦難が描かれている。史実とは異なる設定だがその環境描写はリアルで、ロスの少年時代体験を忠実に再現したものらしい。痛烈な歴史改変物語だ。
〔Non Fiction〕

『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』佐々涼子(早川書房)
『黄昏のビギンの物語 奇跡のジャパニーズ・スタンダードはいかにして生まれたか』佐藤 剛(小学館新書)
『Hello, Goodbye 安齋ららヌード写真集』影 ND CHOW(集英社)

〔Fiction〕

『セバスチャン あるいは情熱の争い(アヴィニヨン五重奏Ⅳ)』ロレンス・ダレル(河出書房新社)
『約束の道』ワイリー・キャッシュ(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『レッド・スパロー(上)(下)』 ジェイソン・マシューズ (ハヤカワ文庫NV)
『ランサローテ島』ミシェル・ウエルベック(河出書房新社)
『特捜部Q 知りすぎたマルコ』 エーズラ・オールスン(ハヤカワ・ミステリ)
『カッコウの呼び声(上)(下)』ロバート・ガルブレイス(講談社)
『秘密資産』マイクル・シアーズ(ハヤカワ文庫NV)
『ハリー・クバート事件(上)(下)』ジョエル・ディケール(東京創元社)
『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが…』フィリップ・ロス(集英社)

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2014 MAY~AUG.>

 5月~8月の4か月間の映画鑑賞歴は、劇場で37本、試写で2本の計39本と快調なペースだったが、配給会社から試写のご案内をいただきながら、スケジュールの都合で観られなかった作品が5本あったのが残念。その中で僕なりのベストが以下の22本。多彩な作品群だった。シナリオ、監督に魅かれて観た作品が多かったが、女優で観たのが『マレフィセント』(アンジェリーナ・ジョリー)、『LUCY』(スカーレット・ヨハンソン)。ヨハンソンは声だけの出演の『her』も良かった。ベストスリーは『闇のあとの光』『ホドロフスキーのDUNE』『グレート・ビューティー』。改めてアレハンドロ・ホドロフスキー監督の幻に終わった大作『DUNE』を観たかったと思うのは、世界の映画ファン共通の心情だろう。

『とらわれて夏』(LABOR DAY)ジェイソン・ライトマン監督
『チョコレート・ドーナツ』(any day now)トラヴィス・ファイン監督
『美しい絵の崩壊』(TWO MOTHERS)アンヌ・フォンテーヌ監督
『シンプル・シモン』(I rymden finns inga Kânslor)アンドレアス・エーマン監督
『闇のあとの光』(Post Tenebras Lux)カルロス・レイガダス監督
『グランド・ブダペスト・ホテル』(THE GRAND BUDAPEST HOTEL)ウェス・アンダーソン監督
『私の男』熊切和嘉 監督
『ホドロフスキーのDUNE』(JODOROWSKY’S DUNE)フランク・パヴィッチ監督
『サード・パーソン』(THIRD PERSON)ポール・ハギス監督
『ラストミッション』(3 DAYS TO KILL)マックG監督
『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』(PARKLAND)ピーター・ランデスマン監督
『her 世界でひとつの彼女』(her) スパイク・ジョーンズ監督
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(EDGE OF TOMORROW)ダグ・ライマン監督
『マレフィセント』(MALEFICENT)ロバート・ストロンバーグ監督
『なまいきチョルベンと水夫さん』(Tjorven,Båtsman och MOSES)オッレ・ヘルボム監督
『複製された男』(ENEMY)ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
『サンシャイン 歌声が響く街』(Sunshine on Leith)デクスター・フレッチャー監督
『トランスフォーマー/ロストエイジ』(TRANSFORMERS:AGE OF EXTINCTION)マイケル・ベイ監督
『ジゴロ・イン・ニューヨーク』(FADING GIGOLO)ジョン・タトゥーロ監督
『プロミスト・ランド』(PROMISED LAND)ガス・ヴァン・サント監督
『グレート・ビューティー 追憶のローマ』(La grande bellezza)パオロ・ソレンテイーノ監督
『LUCY/ルーシー』(LUCY)リュック・ベッソン監督

<2014年 SEP.~DEC.>

WRITING

 日本で唯一の新語・新知識辞典(昭和23年:1948年創刊)、おなじみの『現代用語の基礎知識 2015』が11月に出版された。2015年版でも、「エネルギー」の項目を執筆。エネルギー基本計画、ベースロード電源、電力システム改革を、2015年版の注目語として選んだ。自由国民社・刊、2,900円+税。文字の大きいB5サイズ(大字版)も同時に出版された。こちらは3,800円+税。

『現代用語の基礎知識2015』通常版
文字が大きい大字版 B5版でサイズも大きい

COVERAGE

<MRJロールアウト式典>

 10月18日、国産初のジェット旅客機MRJのロールアウト式典が、関係者とプレスを招いて三菱重工小牧南工場で開催された。YS-11以来半世紀ぶりの、国産旅客機のお披露目だった。次世代のリージョナル・ジェットとして、メイドイン・ジャパンの技術を詰め込んだMRJは、美しい飛行機に仕上がっていた。ボディのシャープな空力設計、高性能エンジンの搭載、ウイングレット装備の主翼、複合材料製の尾翼などが特徴だ。2015年第二四半期の初飛行を目指している。

<筑波海軍航空隊記念館>

 10月8日、茨城県笠間市旭町にある「筑波海軍航空隊記念館」を訪問。旧司令部庁舎を記念館として保存、霞ヶ浦海軍航空隊友部分遣隊、筑波海軍航空隊(筑波空)の写真、資料、遺品などを展示している。映画『永遠の0(ゼロ)』のロケ地として一躍有名になったが、実際にここでゼロ戦パイロットの訓練が行われた歴史的遺産でもある。貴重な資料に加えて、個人から預託・寄贈されたコレクションも収められている。展示室の1室は、映画のロケシーンを復元していた。記念館から1キロほど離れた所に、地下戦闘指揮所の遺構も残されており、特別に見学させてもらった。これは特に印象的だった。運営に当たる「筑波プロジェクト」の皆さんの、熱意が伝わる記念館だ。

<福島第一原子力発電所>

 10月28日、震災後に事故を起こした東京電力・福島第一原子力発電所を視察することができた。かつて訪れた緑豊かな発電所構内の風景は、一変していた。ここはまさに「現場」だ。膨大な数の汚染水タンク群、多核種除去設備、廃棄物保管コンクリートボックスの列などに支配された発電所構内の風景が、喫緊の挑戦課題を如実に物語っていた。まずは汚染水処理、そして凍土遮蔽壁、さらに使用済み燃料の取り出し、燃料デブリの取り出しと、長い廃炉に向けた作業が続く。そこで懸命に働く人々。事故の後始末作業に止まることなく、「廃炉の安全技術を世界に発信する拠点に!」という意欲で、覚悟を持って作業に挑戦する人々に共感するとともに、敬服させられた。国道6号線や発電所構内に残るホットスポットも体験し、地形や植生に影響される放射能残留に対応する、除染作業の困難さも実感した福島第一視察だった。

COMMENTS on TV、Radio、Magazine

 航空・宇宙関係の出来事について、今期もメデイアで解説、コメントを幾つか行なった。アメリカの民間ロケット「アンタレス」の打上げ失敗について、テレビ朝日「ワイドスクランブル」でコメント(10月29日OA)。TOKYO FM「クロノス」で、日本の新しい小惑星探査機「はやぶさ2」について解説(11月28日OA)。「はやぶさ2」のサンプルリターン・ミッションの内容と、その意義などを解説し、わが国の宇宙探査計画への期待を語った。「週刊ポスト」で、ボーイング社と東レの炭素繊維材料の大型契約についてコメント(12.月2日号)。世界の航空機メーカーのこれからは、複合材料の争奪戦になる。12月9日、フジテレビ「News Japan」で、大韓航空のいわゆる「ナッツリターン」についてコメント。数ある航空界の出来事の中でも、珍事と呼びたいニュースだった。12月30日、TOKYO FM「クロノス」のために、消息を絶ったAir Asia機(後にカリマンタン島沖に墜落と判明)の事故原因などについてコメント。

COMMITTEE

 2014年も幾つかの委員会委員を務めた。国(国土交通省)の委員が一つと、独立行政法人の委員が二つ、それに自治体の関連委員だが、今期も独立行政法人の研究開発評価委員会と、自治体関連の委員会が開かれた。自治体というのは山形県で、「山形県産業科学館」の運営協議会委員。産業科学館が来年度に新規展示を導入するので、その選定会議を含めて2回の協議会が山形市で行われた。「山形県産業科学館」は、山形駅に直結した霞城セントラルの2~4階にある。「暮らし・産業と環境」「山形県の工業」「科学の広場」が、各フロアのテーマで、体験型の科学関連展示と山形県の産業関連展示で構成されている。平成13年1月1日の開館で、平成26年2月27日に入館者450万人を達成している。同館の展示、運営に関するアドヴァイスが委員の役目だ。

『僕の交書録』 <BOOKS MY BEST 2014 SEP.~DEC.>

 9月~12月期の読書歴は、購入が39冊、贈呈いただいたのが2冊の計41冊。これで年間の交書録は計120冊になった。100冊を超えたのは2011年以来。さらに2014年は映画を100本以上観た。3日に1冊本を読み、3日に1本映画を観たことになり、いかに暇な年だったかが分かる(?!)。そのうち洋書と専門書を除いた、趣味としての読書ライフの今期マイベストは以下の19作品20冊(順不同)。ノンフィクション以外はミステリを乱読、という印象。開高健さんふうに言えばこうして「時間をうっちゃった」感じか。次々に欧米の秀作が出版されるので、ついついフォローしてしまった。ちなみに今年1冊目は『ユートピアの歴史』(グレゴリー・クレイズ)、120冊目は『儀式(下)』(パトリシア・コーンウェル)。
[ Non Fiction ]

『ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち ボートに託した夢』ダニエル・ジェイムズ・ブラウン(早川書房)
『娼婦たちから見た日本』八木澤高明(角川書店)
『ヌードと愛国』池川玲子(講談社現代新書)
『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』マイケル・ルイス(文藝春秋)

[ Fiction ]

『楽園のカンヴァス』原田マハ(新潮文庫)
『約束の森』沢木冬吾(角川文庫)
『カクテル・ウェイトレス』ジェームズ・M・ケイン(新潮文庫)
『ヴァイオリン職人の探求と推理』ポール・アダム(創元推理文庫)
『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』ポール・アダム(創元推理文庫)
『カルニヴィア2 誘拐』ジョナサン・ホルト(ハヤカワ・ミステリ)
『さよなら、ブラックハウス』ピーター・メイ(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『もう年はとれない』ダニエル・フリードマン(創元推理文庫)
『容疑者』ロバート・クレイス(  々   )
『瘢痕』トマス・エンゲル(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『ゴーストマン 時限紙幣』ロジャー・ホッブス(文藝春秋)
『その女アレックス』ピエール・ルメートル(文春文庫)
『判決破棄 (上)(下)』マイケル・コナリー(講談社文庫)
『クインクス あるいは暴かれる秘密』(アヴィニヨン五重奏 Ⅴ)ロレンス・ダレル(河出書房新社)
『ありふれた祈り』ウィリアム・ケント・クルーガー(ハヤカワ・ミステリ)

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2014 SEP.~DEC.>

 9月~12月期の映画鑑賞歴は、劇場で35本、試写で1本の計36本。これで2014年には合計111本の映画を観たことになる。我ながらよく観たものだと思う。これにTV放映(BS、CS、地上波での高倉健さんの追悼放映などなど)の鑑賞が加わるのだから、尋常な映画鑑賞歴ではなかった年と言える。その中で今期のマイベストは、以下の19本(順不同)。2014年の1本目は『ブランカニエベス』(パブロ・ベルヘル監督)、111本目は『バンクーバーの朝日』(石井裕也監督)だった。

『ケープタウン』(ZULU)ジェローム・サル監督
『NO ノー』(NO REFERENDUM)パブロ・ラライン監督
『ローマ環状線 めぐりゆく人生たち』(SACRO GRA)ジャンフランコ・ロージ監督
『ジャージー・ボーイズ』(JERSEY BOYS)クリント・イーストウッド監督
『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(ABOUT TIME)リチャード・カーティス監督
『リスボンに誘われて』(NIGHT TRAIN TO LISBON)ビレ・アウグスト監督
『めぐり逢わせのお弁当』(The Lunchbox)リテーシュ・バトラ監督
『ニンフォマニアック Vol.1』(NYMPHOMANIAC)ラース・フォン・トリアー監督
『ニンフォマニアックVol.2』(NYMPHOMANIAC Vol.2)ラース・フォン・トリアー監督
『天才スピヴェット』(The Young and Prodigious T.S.SPIVET)ジャン・ピエール・ジュネ監督
『6才のボクが、大人になるまで。』(BOYHOOD)リチャード・リックレイター監督
『インターステラー』(INTERSTELLAR)クリストファー・ノーラン監督
『フューリー』(FURY)デヴィッド・ユアー監督
『オオカミは嘘をつく』(BIG BAD WOLVES)アハロン・ケシャス&ナヴォット・パプシャド監督
『ランナー・ランナー』(RUNNER RUNNER)ブラッド・ファーマン監督
『ストックホルムでワルツを』(MONICA Z)ペール・フライ監督
『ゴーン・ガール』(GONE GIRL)デヴィッド・フィンチャー監督
『チェイス!』(DHOOM 3)ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督
『毛皮のヴィーナス』(VENUS IN FUR)ロマン・ポランスキー監督

◆中村浩美のTOPへ ◆2023年の活動 ◆2022年の活動 ◆2021年の活動 ◆2020年の活動 ◆2019年の活動 ◆2018年の活動 ◆2017年の活動 ◆2016年の活動 ◆2015年の活動 ◆2014年の活動 ◆2013年の活動 ◆2012年の活動 ◆2011年の活動 ◆2010年の活動 ◆2009年の活動 ◆2008年の活動 ◆2007年の活動 ◆2006年の活動 ◆2005年の活動 ◆2004年の活動 ◆2003年の活動