<2012年上半期>

  昨年の大震災の影響で中止・延期になった講演会やイベントが2012年になっても復活せず、事業の停滞が続いており、活発な活動な無いままに上半期が過ぎてしまった。国の委員を二つ、機構の委員を三つ、それに山形県庁の委員を二つ務めているので、その委員会への出席が基本的な日常で、その他には上記MY HOBBYにあるように読書と映画三昧のhobbyistの日々。
 仕事としては、原稿は『電気と保安』3・4月号(関東電気保安協会)に、「エジソンとEV」を執筆。最近大注目を集めているEV(電気自動車)の先駆者が、発明王エジソンだったという内容のコラム。また昨年秋に出席したパネルディスカッション「これからの日本のエネルギーを考える」での発言要旨が、『ETT NEWS & REPORT』No.83(フォーラム・エネルギーを考える)に掲載された。コメント関連では、「週刊ポスト」でスカイマークのサービスについて、日本経済新聞の「ART REVIEW」(6月14日掲載)でYS-11の設計図についてインタビューを受けコメントした。テレビ・ラジオ出演は、ホキ徳田さんの番組「TWILIGHT PIANO」(インターFM、6月24日オンエア) にゲスト出演したのみ。
講演関係でめぼしいのは、池袋東武百貨店でのトークショー(3月4日)。「春の東美会・イギリスフェア:British Prestige」のイベントに、昨年のフランス・フェアに続いて出演。「British Airways のDesign を楽しむ」と、「空の旅mini ヒストリー」のタイトルで、午前・午後計3回のトークショーを行なった。

『僕の交書録』<BOOKS MY BEST 2012 Jan.~Jun.>

 2012年上半期の読書歴は、購入本が40冊、贈呈いただいた本が6冊と、普段の年よりは若干少ないペースだった。そのうちのMY BESTが下記の17著作(19冊、順番は読了した順)。『読書が私の逃げ場、慰め、癒し、わがお気に入りの興奮剤だった。読むことがひたすら楽しいから読み、著者の言葉が頭のなかで鳴り響くときに訪れる快い静けさを求めて読んだ。』(ポール・オースター「ブルックリン・フォリーズ」今年下半期のMY BESTに入るのが間違いない1冊)まさにこの引用そのままの僕の読書ライフだ。
 『牡蠣と紐育』は、オイスターとニューヨークの知られざる歴史。気仙沼の畠山重篤さんも、「三百三ページの大作を貪り読んだ」と書評に書かれていた。噂の現代人の必読書『銃・病原菌・鉄』を文庫になって初めて読んだのだけれど、まさに蒙を拓かれた1冊。『東京の右半分』は、異色のルポルタージュ。奇書と呼んでもいい。東京の東半分の下町は欲望を満たすすべてがあるカオスだ。これらのノンフィクションには衝撃を受けたが、今季はフィクションに秀作が目立った。『リスボンへの夜行列車』は小説の形を借りた哲学書だ。『夜のサーカス』は稀にみるファンタジーの秀作。クリストファー・プリーストの『双生児』や『奇術師』にも共通する魅力を感じた。2010年に装幀を新装してからのハヤカワ・ミステリはヒット作を連発しているが、今季もMY BESTにランクインした。最近のミステリ界は、『ミレニアム』以来北欧の秀作が目立つが、『湿地』は何とアイスランドの警察小説で初見参。今季は小川洋子さんはじめ日本の作家の作品も充分に楽しんだ。
[Non Fiction]

『牡蠣と紐育』マーク・カーランスキー(扶桑社)
『なぜいま人類史か』 渡辺京二(洋泉社新書y)
『冷戦 アメリカの民主主義的生活様式を守る戦い』佐々木卓也(有斐閣Insight)
『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(上・下)ジャレド・ダイアモンド(草思社文庫)
『複数形のプラハ』阿部賢一(人文書院)
『東京右半分』都築響一(筑摩書房)

[Fiction]

『真鍮の評決』 (上・下)マイクル・コナリー(講談社文庫)
『アイアン・ハウス』ジョン・ハート(ハヤカワ・ミステリ)
『リスボンへの夜行列車』パスカル・メルシエ(早川書房)
『ヒトリシズカ』誉田哲也(双葉文庫)
『太陽は動かない』吉田修一(幻冬舎)
『誘拐』五十嵐貴久(双葉文庫)
『夜のサーカス』エリン・モーゲンスターン(早川書房)
『アイ・コレクター』セバスチャン・フィツェック(ハヤカワ・ミステリ)
『特捜部Q  Pからのメッセージ』ユッシ・エーズラ・オールスン(ハヤカワ・ミステリ)
『最果てアーケード』小川洋子(講談社)
『湿地』アーナルデュル・インドリダソン(東京創元社)

[Recommendable Books]

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2012 Jan.~Jun.>

 上半期に観た映画は、劇場で48本、試写会で4本の計52本(テレビ放映、DVD等は除く)。例年よりも多いペースだ。そのうちのMY BESTが以下の19作品(順番は鑑賞した順)。アカデミー賞作品がやはり良かったが、僕好みのヨーロッパ作品も多かった。カンヌ映画祭の受賞作(1995)『アンダーグラウンド』には感動したが、ヴェネチアの受賞作(2011)『ファウスト』は、僕には難解すぎた。無理やりベスト3を選ぶとすると、今季は『アンダーグラウンド』、『アーティスト』、『ミッドナイト・イン・パリ』だろうか。昨年来の『はやぶさ』3作品競作では、『遥かなる帰還』がドキュメンタリータッチで最も僕の好みに合った印象だ。

『アンダーグラウンド』(UNDERGROUND)エミール・クストリッツァ監督
『はやぶさ 遥かなる帰還』(HAYABUSA)瀧本智行 監督
『J.エドガー』(J.EDGAR)クリント・イーストウッド監督
『灼熱の魂』(Incendies)ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
『ヒューゴの不思議な発明』(HUGO)マーティン・スコセッシ監督
『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』(Sherlock Holmes A GAME OF SHADOWS)ガイ・リッチー監督
『戦火の馬』(WAR HORSE)スティーブン・スピルバーグ監督
『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』(El Bulli Cooking in Progress)ゲレオン・ヴェツェル監督
『ルート・アイリッシュ』(RUTE IRISH)ケン・ローチ監督
『アーティスト』(The Artist)ミシェル・アザナヴィシウス監督
『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(The HELP)テイト・テイラー監督
『ジョン・カーター』(JOHN CARTER)アンドリュー・スタントン監督
『裏切りのサーカス』(TINKER TAILOR SOLDIER SPY)トーマス・アルフレッドソン監督
『ル・アーヴルの靴みがき』(LE HAVRE)アキ・カウリスマキ監督
『孤島の王』(KONGEN AV BASTØY)マリウス・ホルスト監督
『ミッドナイト・イン・パリ』(Midnight in Paris) ウディ・アレン監督
『星の旅人たち』(The Way)エミリオ・エステヴェス監督
『キリマンジャロの雪』(Les Neiges du Kilimandjaro)ロベール・ゲディギャン監督
『ブラック・ブレッド』(Pa Négre)アグスティ・ビリャロンガ監督

[Recommendable Cinemas]

<2012年下半期>

 2012年の下半期(7月~12月)も、活動としては上半期と大きな違いはなかったが、年末に自宅兼事務所を移転したことが大きなイベントだった。20年ぶりの移転で、テーマは「シンプル・ライフ」ということで春から準備を始めたが、最大の難関は膨大な蔵書と資料。まず世田谷の「中川書房」に依頼して、2回にわたって計3,500冊以上の書籍と雑誌を引き取ってもらった。「ブックオフ」にも200冊ほど売却した。 でもこれで処分できたのは蔵書の約半分。おまけに資料のほうは(1970年代のエアショーの資料まであった!)ほとんど手つかずで、スリム化に向けた整理が追いつかないまま年末の引っ越しを迎えてしまった。日通に梱包してもらった段ボールが300個以上。1回の作業ではとても新居に収容できず、まずは日通の倉庫に保管し、書棚のレイアウトなどが終わったところで、その後3回に分けて運んでもらった。最終便は年明けになってしまったが、今も開梱されないままの段ボールが30個以上あるという状況。シンプル・ライフの実現はいつになることやら…。
 そんな中、仕事のほうは上半期同様に各種委員会委員としての活動がメインだったが、少しは出版関係の仕事もしている。恒例の自由国民社『現代用語の基礎知識2013』で、「エネルギー」の項目を執筆。創刊65周年記念ということで、2013年版では大判の「大字版」も同時に出版された(下の写真が大字版)。観光庁が発行した、外国人旅行者に向けた小冊子の編集・監修にも関与した。訪日観光の主要マーケット6言語(英語、フランス語、ドイツ語、中国簡体字、中国繁体字、韓国語)を母国語とする外国人を対象に、原子力発電所の事故で旅行をためらう人々に来日をうながすための『安心して日本を旅行していただくために』という小冊子。編集・監修は東京工業大学特任准教授の大場恭子さんを座長とする、4人の「観光への放射線影響を検討するワーキンググループ」。僕もこのワーキンググループの一員として作業に参加した。各国大使館等に配布しているが好評のようで、イタリア大使館の要請でイタリア語版も追加されることになった。

8月にアポロ11号のアームストロング船長の訃報が伝えられた。船長の人柄や業績を伝える「フライデー」など雑誌の特集記事で、いくつか僕のコメントが掲載された。11年に僕が出版プロデュースした桑田真澄さんの著書『野球の神様がくれたもの』(ポプラ社)が、10月に増刷になった。もっと売れてくれるとありがたいのだけれど…。ETT(フォーラム・エネルギーを考える)のHP(http://www.ett.gr.jp)「私はこう思う!」欄に、『蒔くべき林檎の種子』と題したコラムを執筆。寺山修司さんの歌『マッチ擦るつかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国はありや』にインスパイアされた、震災後の想い(おもに右往左往する政府への絶望感)を綴ったもの。震災後1年半の時期に書いたものだが、アップロードは年明けになった。余談だけれど、寺山さんのこの短歌は 、「文藝春秋」創刊90周年記念号(2013年1月号)の「新・百人一首 近現代短歌ベスト100」にも選ばれている。
 シーズンごとに開催される、池袋東武百貨店の顧客向けイベント「東美会」のトークショーに招かれるのも、ありがたいことに恒例になって、春に続いて「秋の東美会・日本フェア:RESPECT JAPAN 」にも出演(9月9日)。『日本の空mini HISTORY:デザインで楽しむ航空史』のタイトルで、午前・午後計3回のトークショーを行なった。

『僕の交書録』 <BOOKS MY BEST 2012 Jul.~Dec.>

 12年10月5日に、ホテルオークラで「小林秀雄賞」と「新潮ドキュメント賞」の贈呈式・祝賀パーティが開催され、招かれて僕も出席した。第11回小林秀雄賞は小澤征爾×村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』に、第11回新潮ドキュメント賞は増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』に贈られた。いずれも僕の<BOOKS MY BEST 2011>でも選ばせていただいた作品だった。言葉少なに挨拶した増田さんは、骨太の作品どおりの好漢という印象。療養中の小澤さんはビデオレターでの、外国取材中の村上さんは手紙での受賞メッセージだった。会場では、櫻井よしこ、兼高かおる両女史と歓談。秋尾沙戸子さんとも旧交を温めた。秋尾さんとはお互いにテレビキャスターだった当時からの知り合いだが、お会いしたのは本当に久しぶり。秋尾さんの『ワシントン・ハイツ』もMY BEST 2011 に入っている。新作『スウィング・ジャパン』について話を聞いたが、この力作も下記のリストにある通り今季のMY BEST 2012 Jul.~Dec. に選ばせていただいた。
 今季の読書歴だけれど(今回から70、80年代に雑誌のコラムで使っていたタイトルを思い出して「僕の交書録」とした)、購入が47冊、贈呈いただいた本が5冊の計52冊。上半期と合わせて98冊と例年に比べて少なかった。そのうち下半期のMY BESTが以下の14著作(19冊、順番は読了した順)。特にノンフィクションの秀作がもう少しほしかったので、満足度は中程度。しかし文字どおりの圧巻は『通天閣』だ。734頁という分厚さで、通天閣とその界隈の人、街、時代を重層的に描いた破天荒な力作。副題の意味が重い。なおこの著作は、12月にサントリー学芸賞を受賞した。『メトロにのって』はパリの観光案内ではなく歴史書。1年間で50万部というフランスで話題の1冊。僕の少年時代は日活アクション映画とともにあったが、青年期が日活ロマンポルノとともにあったわけではない。でも小沼監督の映画とロマンポルノにかけた情熱には圧倒された。この本を読んで、フィルムセンターの「日活映画の100年・日本映画の100年」展に足を運び、「ロマンポルノの時代」の小部屋まで観てしまった!秋尾さんの『スウィング・ジャパン』は、伝説のジャズメン、ジミー・アラキの生涯とアメリカの日系二世を描いた力作。彼女の精力的な取材には敬服している。
 フィクションのほうは、ご贔屓の内外作家の作品が並んだのと、このところ好調なヨーロッパのミステリとの出会いが嬉しかった。上半期にはハヤカワ・ミステリが好調と書いたけれど、今季は創元推理文庫の秀作が目立った。『深い疵』と『濡れた魚』は、ともにドイツの警察小説。北欧勢もドイツ勢も、英米作家とはまた違う良さがある。ちなみに濡れた魚というのは、迷宮入りを指すベルリン警察の隠語。それにしても年末になっても、ライアル、フランシス、パーカーの新作が読めないのは寂しい(ノンフィクションではハルバースタム)。何十年も読書生活を支えてくれた贔屓作家が次々に鬼籍に入り、わが身の齢も数え直さざるを得ない。今季のベストスリーは、『通天閣』『ブルックリン・フォリーズ』『四重奏』で決まり。
[Non Fiction]

『パリ歴史散歩 メトロにのって』ロラン・ドゥッチ(晋遊舎)
『通天閣 新・日本資本主義発達史』酒井隆史(青土社)
『わが人生 わが日活ロマンポルノ』小沼勝(国書刊行会)
『スウィング・ジャパン
日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶』
秋尾沙戸子(新潮社)

[Fiction]

『吊るされた女』キャロル・オコンネル(創元推理文庫)
『深い疵』ネレ・ノイハウス(創元推理文庫)
『天使のゲーム』(上・下)カルロス・ルイス・サフォン(集英社文庫)
『ブルックリン・フォリーズ』ポール・オースター(新潮社)
『古書の来歴』(上・下)ジェラルディン・ブルックス(RHブックス・プラス)
『夜の終焉』(上・下)堂場瞬一(中公文庫)
『四重奏 カルテット』小林信彦(幻戯書房)
『濡れた魚』(上・下)フォルカー・クッチャー(創元推理文庫)
『占領都市 TOKYO YEAR ZERO Ⅱ』デイヴィッド・ピース(文藝春秋)
『ファイアー・ウォール』(上・下)ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

[Recommendable Books]

『僕のシネマテーク』 <CINEMAS MY BEST 2012 Jul.~Dec.>

 CINEMAS MY BESTも、昔雑誌に書いていたコラムのタイトルを復活させ、今回から「僕のシネマテーク」とした。2012年下半期に観た映画は、劇場で46本、試写会で1本の計47本。上半期と合計すると何と99本だった。100本の大台にのせる候補映画もあったのだけれど、引越しのため12月は超多忙で、なかなか劇場へ足を運べず新記録達成は成らなかった。ちなみに2012年の1本目は『ロンドン・ブルバード』(ウィリアム・モナハン監督)、99本目は007の『スカイフォール』(サム・メンデス監督)だった。
 今季のMY BESTは以下の16本。『クレイジー★ホース』だけがドキュメント。僕の好みの傾向なのだろうが、ヨーロッパの作品が目立つ。ハリウッド映画は時間をうっちゃるには最適で、それなりに楽しめるけれど、アメリカ映画は鳴り物入りの大作じゃないほうに佳作が多い。今季は欧米ともに、事実に基づいた作品のインパクトが印象深かった。映画は俳優で観るという選択も僕にはあって、その結果、エリカさま、健さん、イーストウッドの出演作がランクインした次第。『砂漠でサーモン・フィッシング』は、ポール・トーディの原作『イエメンで鮭釣りを』(白水社)が2009年のMY BESTの1冊だったけれど、凝り性の作者が複雑な構成にしていたので、映画のほうが流れは分かり易かった。作品としては3作に絞るのが難しく、今季のベスト・ファイブは、『きっとここが帰る場所』『屋根裏部屋のマリアたち』『最強のふたり』『ソハの地下水道』『アルゴ』で、次点が『人生の特等席』。サッカー好きとしては、『コッホ先生と僕らの革命』も捨てがたかったが。

『クレイジーホース★パリ 夜の宝石たち』(CRAZY HORSE)フレデリック・ワイズマン監督
『きっとここが帰る場所』(THIS MUST BE THE PLACE) パオロ・ソレンティーノ監督
『ヘルター・スケルター』蜷川実花 監督
『だれもがクジラを愛してる。』(BIG MIRACLE)ケン・クワピス監督
『あの日 あの時 愛の記憶』(Remembranee)アンナ・ジャスティス監督
『屋根裏部屋のマリアたち』(Les femmes du 6 ème étage)フィリップ・ル・ゲイ監督
『あなたへ』降旗康男 監督
『最強のふたり』(UNTOUCHABLE)エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ監督
『ぼくたちのムッシュ・ラザール』(Monsieur Lazhar)フィリップ・ファラルドー監督
『コッホ先生と僕らの革命』(Der ganz groβe Traum)セバスチャン・グロブラー監督
『ソハの地下水道』(IN DARKNESS)アグニェシュカ・ホランド監督
『アルゴ』(ARGO)ベン・アフレック監督
『声をかくす人』(The Conspirator)ロバート・レッドフォード監督
『みんなで一緒に暮したら』(Et si on vivait tous ensemble?)ステファン・ロブラン監督
『人生の特等席』(TROUBLE WITH THE CURVE)ロバート・ロレンツ監督
『砂漠でサーモン・フィッシング』(SALMON FISHING IN THE YEMEN)ラッセ・ハルストレム監督

[Recommendable Cinemas]

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