中村 浩美 Hiromi Nakamura

WRITING

 8月末に出版された、枻(えい)出版社のムック『エアライングッズ コレクション』(大空からの贈り物)で、執筆、対談、取材ディレクションを担当。原稿「エアライングッズの世界へようこそ!」、柳本浩市さんとの対談「エアラインに恋して‥‥」の他、マイコレクションも公開。齋藤茂太会長の世界的なオーバーナイトバッグ・コレクションの一部も見られます。ぜひご高覧を。上右は、齋藤コレクション取材の際の記念写真です。エアライングッズ・コレクターの満面の笑みにご注目。

STAGE

親子で学ぶサイエンススクール

 1995年から、私が校長を務め全国で開催している出前科学教室「親子で学ぶサイエンススクール」。2004年は、1月24日の『親子で学ぶ省エネサイエンススクール』(東京五反田・ゆうぽうと簡易保険ホール)で始まった。ゲスト講師は、気象予報士の森田正光さん。8月1日には静岡で、世界的な航空写真家・徳永克彦さんをゲスト講師に『飛行機の科学・大空への挑戦』(グランシップ・ホール風)、8月4日には北海道岩内で、『宇宙から地球と環境について考えてみよう』(岩内地方文化センター大ホール)、9月5日には北海道幌延で、『今日は宇宙から地球のことを考えてみよう』(幌延町公民館)、10月23日には、北海道留萌で開催。

Symposium & Talk Show

 近年は、エネルギーや地球環境をテーマにした講演、シンポジウム、トークショーなどでの登壇機会が多い。5月には、おなじみのドラえもん・大山のぶ代さんと名古屋で(テーマはエネルギーと暮らし)、9月には宇宙飛行士の若田光一さんと宮崎で(テーマは宇宙開発)トークショー。シンポジウムは、6月に札幌、7月に金沢(主催・ETT)、11月に佐賀・玄海町で(主催・資源エネルギー庁)コーディネーター、パネリストとして登壇。原子力委員会の「市民参加懇談会」では、3月に東京、5月に福島富岡町、10月に大阪でコーディネーターを担当。講演は7月に北海道旭川で、8月に横浜こどもの国で、11月に山口で。テーマはいずれも「地球温暖化、エネルギーと私たちの暮らし」。

TRAVEL

CHINA (Oct.) <中国エネルギー事情視察>

 中国の最新エネルギー事情視察のため、北京と上海へ。中国滞在中の休日は2日。1日は北京近郊観光の定番、「万里の長城」へ。もう1日は、上海郊外の水郷の村、900年の歴史を持つ周庄(周荘)に遊んだ。
 急激な経済発展に伴うエネルギー(特に電力)不足は深刻なようだ。この冬にも、来年の夏にも電力不足が予想される。日本からの進出企業は一応優遇対象とはいえ、休日シフト、操業停止要請などを受けた企業も少なくない。政府は水力、火力発電の増強や省エネで対応すると言うが、消費拡大の勢いには当分追いつかない状況のようだ。

経済発展を象徴する上海・浦東新区の高層ビル群

CANADA (Feb.) <オーロラ観測>

 去年に続いてのオーロラ(ノーザンライツ)観測。場所はカナダ・マニトバ州のチャーチル。前回も、満天の星を背景に、天空を彩る壮大な光のショーを観測できたが、去年秋に太陽活動が極めて活発だった結果だろうが、今回の出現はさらに鮮やかで妖しいほどだった。さらにチャーチルからウィニペグに向かう、帰路の飛行機からも見ることができたというお土産までついた。

 去年のオーロラは、アーチ状と、そこから展開するカーテン状が主役だったが、今年は帯状が目立った。光の帯が何本も現れ、その間を揺らめくカーテンの舞いが埋める。全天では、放射状に広がる光の舞いである。

上の写真は、2年連続で一緒に観測した写真家・伊藤厚さんの作品。右は、今年ご一緒した知人の古代公子さんの作品。

<2003年>

WRITING

 主な執筆活動は、著書『読んで愉しい旅客機の旅』(光文社新書)を、8月に出版したほか、「CIAC REPORT」(財・中部産業活性化センター)に、「サイエンスフロンティア」を連載。この連載は2004年も継続中。
 また、毎日新聞の読書欄「この人・この3冊」に、ライト兄弟初飛行100年を記念して執筆したのが下の記事。中村浩美が選ぶライト兄弟伝の推薦図書3冊を紹介。(2003年12月14日掲載) 下の右は、この記事の中で、和田誠画伯が描いた僕の似顔イラスト。似ていますか?

STAGE

 2003年の「親子で学ぶサイエンススクール」のハイライトは、坂田俊文先生(財・地球科学技術総合推進機構理事長、東海大学教授)をゲスト講師に迎えての『水惑星・地球の不思議』(8月10日、静岡市)と、宇宙飛行士の土井隆雄さんを特別講師に迎えての『世界宇宙飛行士会議 in 花巻・サイエンスステージ』(10月16日、花巻市)だった。

TRAVEL

U. S. A. (July)  <ライト兄弟初飛行100周年・聖地巡礼>

1903年、人類初の動力飛行に成功したライト兄弟のライトフライヤー1号機。ワシントンのスミソニアン国立航空宇宙博物館に永久展示されている。

初飛行の地、ノースカロライナ州キティホークのキルデビルヒル。4回の飛行の着陸点を示す標石が、1列に並ぶ。近くには、兄弟が使った丸太小屋も保存されていた。

キルデビルヒル一帯は、国立ライト兄弟記念公園として整備されている。丘の上には、巨大なモニュメントと兄弟の胸像が建てられている。

Dayton Air Show  <ライト兄弟初飛行100周年記念航空ショー>

 ライト兄弟の故郷、オハイオ州デイトンでは、初飛行100周年を記念して大規模な航空ショーが、開催された。パイオニア時代や第一次大戦当時の復元機から、最新鋭の最高軍事機密であるステルス機(レーダーに探知されない、いわゆる見えない飛行機)まで約100機が、飛行展示、地上展示された。
 下の写真左は、デモ飛行するライトB型の復元機。モデルBは、ライト兄弟が1910年に完成させた、初めての量産型機だった。右は、ショー会場をフライパスするステルス爆撃機ノースロップ・グラマンB‐2A。1999年のユーゴ空爆(コソボ紛争)における花形兵器だ。その特異な機影に、ライト兄弟に始まる航空技術史のひとつの到達点を見た。

ENOLA GAY  <原爆投下B‐29爆撃機の展示>

 2003年12月15日に、スミソニアン国立航空宇宙博物館の新館(アドヴァー・ヘイジー・センター)が開館した。ワシントン・ダレス空港に隣接するこの新館には、ボーイング707や、コンコルドまでを含む約80機の歴史的な機体が、一堂に展示されている。中でも注目されるのが、広島に原爆を投下したボーイングB‐29爆撃機「エノラ・ゲイ」の完全復元機だ。
 「エノラ・ゲイ」の展示案内板には、技術史的意義と、原爆投下の事実だけが記載されており、原爆被害の実態には触れられていない。日本の被爆者団体や、米国の歴史学者などが説明文の変更を再三申し入れてきたが、結局変更されずに公開された。開館日には、広島や長崎から被爆者や被爆二世らが抗議のため訪れたが、スミソニアン協会では航空技術史の記録としての側面だけの記述を、今後も変更するつもりはないという。

(写真は公開前に、JTWO飛行機研究会として同館を訪問した際に、 特別許可を得て撮影したもの)

PARIS (June) <パリ航空ショー>

世界で最も古い歴史と最大の規模を誇る「パリ航空ショー」だが、今回はイラク戦争での確執を反映して、米国は出品はしたものの、デモ飛行はなし。従って飛行展示は、戦闘機も旅客機もヨーロッパ勢のほとんど独壇場だった。わずかにブラジルの小型旅客機エンブラエル170が目を引いた。

<パサージュ散策>

 パリで、新しい愉しみを見つけた。パサージュ巡りである。パサージュは18世紀末にパリに出現した、ガラス張りの屋根をもつ商店街。ギャルリ(歩廊)とも呼ばれる。その全盛期は19世紀で、40箇所ほどあった。流行の発信地であり、散策路であり、文化や職人技の温床でもあり、時にパリ・アンダーワールドへの入り口でもあった。
 パサージュは20世紀になって廃れたが、近年見なおされて再建も行われ、17箇所ほどが現存している。19世紀グラン・ブールバールの雰囲気を伝えるブティックや、カフェ、レストラン、ホテルなどがある。古本屋、古い切手やポスター、絵はがき、写真などを売る店がかならずあるのも嬉しい。今回は12箇所を駆け足で巡ったが、次回からはひとつずつじっくりと散策したい。パサージュに憑かれた最近の愛読書は、もちろんヴァルター・ベンヤミンの『パサージュ論』(全5巻)と、ルイ・アラゴンの『パリの神話』だ。

CANADA(Feb.)  <オーロラ観測>

天空を彩る壮大な光のショー。さまざまに姿を変えながら揺れ動く光の舞。カナダ・グループの面々と、カナダ・マニトバ州のチャーチルへオーロラ観測へ。北緯59度、2月の気温は日中でもマイナス30度C。オーロラを、現地ではノーザンライツという。北極光だ。
 太陽からのエネルギー粒子が、地球の磁力線に沿って大気に突入する発光現象。

滞在中の3夜とも、見事にノーザンライツが出現。特に2夜目は、北東の北斗七星のあたりに最初出現し、それから光のカーテンが徐々に広がって、ついには周囲360度が光のショーの舞台になった。僕たちの感動と興奮は午前零時を過ぎても続いた。
(写真は同行のカメラマン伊藤厚氏の撮影。第2夜の最低気温はマイナス50度C!)

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